世界のリーディングホテル

Edition 10/ Angkor Wat

World Heritage Angkor Wat, Cambodia

世界遺産アンコールワットとラッフルズ、アマンサラ – はじめに

第10回特集は「世界遺産アンコールワットとラッフルズ、アマンサラ」と題して、カンボディアの
シェムリアップにあるアンコールワットと2つのラッフルズホテル、そして初登場のアマン、
アマンサラをご紹介いたします。
また今回は主題がホテル以外となりますので、季節刊としてのご案内となります。
去年9月より連載を始めた「世界のリーディングホテル」も早いもので、10回目の特集を
迎える事になりました。ここに皆様の温かいご支援に心から感謝いたします。

*Angkor Wat and Angkor Thom
アンコールワットは「寺院によって造られた都城」という意味で、アンコール遺跡最大の
ヒンドゥー教寺院を指します。12世紀スールヤヴァルマン2世により造営され宇宙を守護
するヴィシュヌ神に捧げられた。王の死後は霊廟となりやがて王国が衰退すると王都は
放棄され、アンコールワットは仏教寺院に姿を変え密林の中で細々と存続していました。
それが1860年にフランスの博物学者アンリ・ムオに発見されたという事です。

一方アンコール・トムは「大きな都城」という意味で、ジャヤヴァルマン7世が強大な権力で
13世紀初頭に巨大都城を完成させた。篤く仏教を信仰した王はアンコール・トムの中央に
仏教寺院バイヨンを築き、仏の慈愛が遍く及ぶようにと菩薩の顔を塔の四面に彫らせました。
それが今回紹介するバイヨン寺院で、各写真に詳細な説明コメントを付けております。

今回はその他に、巨大な榕樹が寺院の中に入り込み今も遺跡を破壊し続けるタ・プローム、
そして「東洋のモナリザ」と称えられるデヴァター(女神)像で有名な、バンテアイ・スレイ寺院
を併せてご案内いたします。

*Raffles Hotel Le Royal
1929年にル・ロワイヤルホテル・プノンペンとして開業し、1997年にラッフルズの傘下に
入るのを期に全面改修し新館を加えて再オープンしました。
ラッフルズ・ダンコールと姉妹関係にあり、クメール、アールデコ、フレンチ・コロニアルの
装飾がお互い影響し合ったインテリアと共に建築構造もまたそっくりです。
プノンペンにはシャルル・ドゴール通りという素敵な名前のメインストリートもあるのですが、
とにかく高層建築が市街に一軒も無く、戦後の混乱期の日本にタイムスリップしたような
不思議な表情を見せています。

*Raffles Grand Hotel d’Angkor
植民地時代の1932年にグランドホテルとして開業し、1997年にル・ロワイヤルと同じく
ラッフルズの傘下に入り再オープンしました。
シェムリアップの街中心にあり、広大な庭園や国王別荘に接した理想的な立地にあります。
増加する外国人観光客の外貨獲得を目的に、国策ホテルとして創業した訳ですが、
この構図は日本の国立公園第1号の雲仙にも見られ、雲仙観光ホテルがそれに当たります。
2003年の私の訪問時には、この地で圧倒的な存在感を誇っていましたが、この10年間
にシェムリアップの街も大変貌を遂げ、世界大手のホテルチェーンを含め以下のような、
ハイ・クオリティーなブティックホテルが続々オープンしております。
Sofitel Royal Angkor
Le Meridien Angkor
Hotel de la Paix—SLHW
Heritage Suites Hotel—Relails&Chateaux
La Residence d’Angkor—Orient Express Group

*Amansara
初めての都市型アマンとして2002年12月にオープンしました。実際にはなかなか軌道に
乗らず、私の訪問した2003年の後半からパフォーマンスを発揮したと思います。
以前はシアヌーク国王の私的迎賓館でしたが、永く続いたカンボディア内戦の混乱を経て
アマングループに渡り、大規模な改修を終えて12室のヴィラ・スタイルでオープンしました。
ラッフルズの近くに立地しているのですが、漆黒の重々しい巨大な正門は異様な雰囲気で、
しかも2-3メートルもある塀で外部と遮断した造りになっています。しかし内部は芝生の
青が美しい別天地で、アマン流のコンセプトが随所に生かされています。

注、写真は2003年訪問時のもので、各コメントもそれに合わせてご案内しております。
  また当時はフイルムカメラを使用しており、今回掲載の写真はすべてスキャンをして
  デジタル加工したものです。したがって画質が落ちておりますのでご了承ください。

World Heritage Angkor Wat

世界遺産アンコールワットと遺跡群

世界遺産アンコールワットと遺跡群
密林の中から忽然と姿を現したアンコールワットの伽藍。
途中にプノンバケンという寺院が小高い山の頂にあり、
そこから俯瞰した夕日に染まるアンコール寺院の全貌です。
ここはかなりの急登で、象をチャーターして登ることも出来ます。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
アンコール寺院は周囲を四方ぐるりと環濠で満たされています。
先ず100メートル以上ある石造りの連絡橋を渡り、正門に当たる西塔門を目指します。
西塔門をくぐり抜けますと、西参道前方にアンコールワットの全容が姿を現します。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
表参道に当たる西参道から俯瞰したアンコール寺院の全景です。
長い参道の途中両側には経蔵と聖池があります。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
第2回廊の朽ち果てた様子です。
残念ながら第1回廊壁面の美しいレリーフ群の詳細写真は、紛失しており紹介出来ません。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
第3回廊へ登る極めて急な階段です。
中心部の階段はすり減っていて、後で付け加えたと思われる左脇の
手摺付き階段部分でなければ、とても登ることは出来ません。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
登りきった階段上部からの眺めです。
どうです、すごい絶壁急階段ですね。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
崩れかけた回廊門をくぐり抜けると、第3回廊部分にある沐浴池に辿り着きます。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
寺院の中心部はピラミッド状に第1-第3回廊を経て順次高度を上げていきます。
写真は最上部の第3回廊から上に尖塔がそびえる中央祠堂の基部。
12世紀頃の造営と言われますが、非常に高度な土木建築技術と言わざるを得ません。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
第3回廊から眺めた西参道と西塔門、それに左右には経蔵も確認できます。
写真右上空には熱気球による遊覧バルーンも見えます。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
アンコールワットの北約1,5キロに巨大都城、アンコールトムがあります。
「大きな都城」という意味で、中心にあるバイヨンに通じる南大門、事実上の正門です。
大門上部には四面を向いた仏顔が刻まれています。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
南大門を抜けて進むと、やがて樹林の中にバイヨン寺院が見えて来ます。
樹林帯に小さな池があり、独特な幽境の雰囲気を醸し出しています。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
全貌を現したアンコールトムの中心バイヨン寺院で、正面である東門側からの俯瞰。
四面に仏顔(観世音菩薩と言われる)のある、多くの塔堂が特徴的です。
写真中央に仏陀の坐像が見えますが、これは後世に持ち込まれた像です。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
屋根が残されている第1回廊部分とバイヨン寺院。
アンコールワットが繊細な感じを受けるのに対し、こちらは肉厚の圧倒的量感を受けます。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
こちらは屋根の部分が無くなったバイヨン外側の回廊で、
壁面いっぱいに膨大な量の物語絵巻のレリーフが浅浮き彫りされています。
若い僧侶がレリーフの壮大な物語絵巻を勉強しています。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
アンコールワットがヴィシュヌ神を祀ったヒンドゥー教寺院として創建されたのに対し、
このバイヨンは大乗仏教による救済という宇宙観を持つ仏教寺院です。
菩薩の顔を塔の四面に彫らせた四面仏顔塔がこのようにいくつも並んでいます。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
王宮前広場にある「象のテラス」です。
高さが3メートルあり、壁面には神象とガルーダ(神鷲)のレリーフが彫られています。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
「ライ王のテラス」の上に坐するライ王像です。
これはレプリカで本物はプノンペンの国立博物館に収められています。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
タ・プロームへの参道入口である西塔門から見た西門です。
アンコールトムの東約2キロにある寺院で、これから自然の驚異をお見せします。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
タ・プロームの雰囲気を特徴づけているのは寺院遺跡そのものよりは、
この巨大な榕樹(ガジュマルの木)の不気味な姿です。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
寺院回廊にはこの巨木が圧し掛かるように根を這わせています。
その根は寺院の石材の中に入り込んで、今も遺跡を少しずつ破壊し続けている。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
タ・プロームは発見当時のままで残されていて、薄暗く神秘的な空気が漂う。
敢えて樹木の除去など、修復の手を加えずに据え置かれています。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
榕樹の根の上をまるで生き物の血管のように別の植物が覆っています。
まさに自然の驚異を身に染みて感じる光景。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
早朝のバンテアイ・スレイ寺院に、朱色の衣が美しい僧侶の一群に出会いました。
朝靄に煙る幻想的な姿です。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
正門に当たる東門入口です。
シェムリアップから車で片道1時間以上掛かる為、一日の大半が費やされます。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
バンテアイ・スレイとは「女の砦」の意味を持つヒンドゥー教の寺院です。
何といっても「東洋のモナリザ」と称えられるデヴァター(女神像)は必見で、
このようにいくつもの回廊を進んで行きます。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
やがて北祠堂に彫られたデヴァターが見えて来ました。
フランス文化相も務めたアンドレ・マルローはこのモナリザの虜になり、
遂にはデヴァター像を強奪し後にプノンペンで逮捕され、執行猶予2年の判決を受けた。

世界遺産アンコールワットと遺跡群
紅色砂岩とラテライトの石組みで伽藍は燃える炎のように感じられる。
デヴァターは非常に優美な微笑の彫像で、アンコール美術の白眉と評価されます。
実にアンコールワット造営の200年近く前の創建ですが、群を抜いた洗練、完成度です。
後年、マルローはこの顛末を元に、小説「王道」を著している。

Raffles Hotel Le Royal

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
1929年創業のプノンペンで最も古く格式あるル・ロワイヤルの正面ファサード。
政府関係者、時には国賓の滞在にも使われる首都を代表するホテルです。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
ル・ロワイヤルの正面エントランス。
1997年よりラッフルズの傘下に入り、新館も含めてリニューアル・オープンしました。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
エントランス・ロビーで左手にレセプション・カウンターがあります。
コロニアル調の優雅な佇まいで、ドアボーイがいつも待機している。
手前が「The Conservatory」と呼ばれるラウンジで、ここでチェックインをしました。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
旧館にある天井の高いランドマーク・ルームです。
ライティング・デスク右手のドアを開けると優雅なバルコニーがあり外へ出られます。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
キングベッドから見たシッティング・エリア。
右手にホワイエがあり玄関ドアに通じます。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
どうです、今では貴重になった優雅な雰囲気の猫足付きのバスタブです。
シャワーブースもあり使い勝手は良好でした。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
コロニアル調の木製の階段。
白と黒のタイルフロアーが美しいです。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
メインダイニングの「Restaurant Le Royal」が政府要人のレセプションという事で、
夕食は「Café Monivong」を利用しました。写真は「Café Monivong」前の佇まいです。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
中庭にあるスイミング・プールと旧館裏手側の俯瞰です。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
旧館と新館を連絡する通路の中心部分。
優雅なレイアウトです。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
プールと連絡通路の全景です。
右側が旧館で、左側に新館が建っています。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
カンボディア王国の宮殿前広場です。
私の訪問時2003年は、まだシアヌーク殿下が国家元首でした。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
王宮正門前の近衛兵です。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
フランスからの完全独立を記念して1958年に建造された独立記念塔。
写真に写っている人力車(シクロ)はホテル前でチャーターしたもので、
これで市内全般を廻れます。チップ込み3時間でUS5ドルでした。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
シクロの運ちゃんが面白いからと来て見た、カンプチアクロム通りの屋台街の様子です。

ラッフルズ、ホテル・ル・ロワイヤル
セントラルマーケット近くで出会った少年僧たちです。
僧侶はふだん写真を避けますが、にこやかに写真に収まってくれました。

Raffles Grand Hotel d’Angkor

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
首都プノンペンからアンコールワットの玄関口、シェムリアップまでは空路を利用。
もちろん搭乗ブリッジは無く、このように沖止めです。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
威風堂々としたグランドホテル・ダンコールの正面全景です。
1932年創業で、ル・ロワイヤルと同じ1997年にラッフルズの傘下に入った。
ホテル手前は60,000平方メートルを誇る広大な庭園です。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
こちらはホテル側から見た庭園。
数多くの熱帯植物も植えられています。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
コロニアル調の制服を着たドアマンと一緒に撮ったホテル正面エントランス。
とにかく蒸し暑いので、私はこれからも軽装で写って来ます。
申し訳ありません。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
エントランスを抜けて、ラウンジ「The Conservatory」に案内されます。
エントランス・ロビーは思いのほか狭く、ここでチェックインします。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
写真左手がエントランス・ロビーですが、
すぐ横にノスタルジーを感じさせる年代物のエレベーターがあります。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
旧館に設置してあるエレベーターで、興味あるので乗ってみました。
写真は旧館ランドマーク・ルームへ向かうエレベーター前の踊り場。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
今回は新館のステート・ルームの利用です。
写真は客室に至る廊下ですが、白と黒のタイル模様はル・ロワイヤルと全く同じです。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
ステート・ルームの客室内部の俯瞰。
プールサイドのお部屋で、窓から緑豊かな芝生と華やかなプールが望めます。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
玄関口ホワイエからの俯瞰。
チェック柄のカーテン、クッション、スリッパと同生地で統一されたデザインです。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
決して広くはないが清潔なバスルーム。
右側にバスタブがあり、中央にあるスリッパ置きが可愛いです。
上下2段になった籐の籠で、下段には同生地の袋に入ったスペアが入っています。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
オールデイダイニングの「Café d’Angkor」の内部。
写真はドイツ人のGMで、私のバイエルン訛のドイツ語に興味津々でした。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
メインダイニング「Restaurant Le Grand」のウェイティング・ルーム。
写真はやはりドイツ人の副GMで、お互い親しくなって話が弾みました。
背後の窓の外に見えるのが、レセプション・カウンターです。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
「Restaurant Le Grand」での食事です。
前述の副GMのご厚意で、2名の専任ウェイターを付けて頂きました。
ここは外国人観光客用のリゾートなので、ハーフ・ボードの料金体系となっています。
つまり、ロッジング、ブレックファスト、ディナーが込みの宿泊システムです。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
本館からのスイミング・プールの俯瞰。
前方の建物は軽食の「Poolside Terrace」です。
早朝の時間帯で、オープン前のメンテナンス作業をしていました。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
逆方向からの本館正面で、右手に新館部分、左手にスパがあります。
1階のプール側に張り出した部分が、コンサバトリー・ラウンジです。

ラッフルズ、グランドホテル・ダンコール
ラッフルズ、アムリタ・スパのプールサイド側からのエントランス。
正面に立つ顔の欠けた女神像がフェミニンな印象を醸し出しています。

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