世界のリーディングホテル

Edition 31/ Florence, ItalyⅡ

Florence, ItalyⅡ

フィレンツェ、イタリアⅡ-はじめに

 第31回特集はフィレンツェ、イタリアⅡとして、フィレンツェ郊外のフィエーゾレの丘に建つヴィラ サンミケーレをフォーカスしてご案内します。ホテル正面ファサードは、ルネッサンスの巨匠ミケランジェロよって建てられ、現在はイタリア政府保存委託建造物(重要文化財)に指定されている歴史的な建物である。コモ湖にあるヴィラ デステと共に高い評価と人気を誇るヴィラ サンミケーレを、今回は今までのエディションで最大枚数の写真で余すところなく紹介しております。
 また日本でも話題になり世界で最も古い薬局の1つである「Santa Maria Novella」やドゥオーモを中心としたフィレンツェ市内の様子、そしてイタリアの鉄道事情も併せてご案内します。

*Villa San Michele
 ホテル建物の起源が15世紀初頭のフランシスコ派の修道院まで遡るといえばビックリするであろう。さらに正面ファサードは、ルネッサンス期の巨匠ミケランジェロの手により設計されたと聞けば尚更のことである。フィレンツェの中心部から車で20分の郊外、市街地を見下ろすフィエーゾレの小高い丘の上にヴィラ サンミケーレは建ち、その重要文化財にも指定されている白亜の歴史的ホテルがゲストを暖かく迎え入れてくれる。館内随所に見られる内装に施された彫刻、壁や天井に描かれたフレスコ画、見事なアンティーク家具の数々は壮麗で優雅な雰囲気に満ちている。ゲストはあたかも有名な大聖堂や美術館に居るような錯覚を感じ、そこに悠久で孤高の美しさを見出すことができる。
 ヴィラ サンミケーレは幾多の歴史的変遷を経て、1982年よりオリエント・エクスプレス・ホテルズ社「Orient Express Hotels Ltd」によって運営されている。またリーディングホテル「LHW」の加盟ホテルとして、コモ湖のヴィラ デステと共にイタリア最高のヴィラホテルとして高い評価を得ている。郊外の立地ではあるが足の便も良く、市内中心部のレプッブリカ広場までメルセデスのワゴン車による無料の送迎サービスがあり、筆者としても是非訪れて欲しい珠玉のホテルの1つとして推薦したい。

*Officina Profumo-Farmaceutica di Santa Maria Novella
       “サンタ・マリア・ノヴェッラ 薬局”
 世界で最も古い薬局の1つで、起源は13世紀のフィレンツェ、ドミニコ会修道院薬局まで遡る。ドミニコ会修道僧たちは自ら薬草・花を栽培し、僧院内にある薬局で薬剤・軟膏・鎮痛剤等を長い期間で調合して来た。
 1612年には一般の薬局となり、ナポレオンのイタリア統治時代に薬局は修道院の手を離れ、当該関係者が経営権を買い取り、その一族のもとで現在に至っている。

 

*Eurostar Italia, Trenitalia Railways
  “トレニタリア”  旧イタリア国鉄
トレニタリア「Trenitalia」はイタリア国鉄、略称は「FS」(Ferrovie dello Stato)の列車運行業務を引き継ぐ民営鉄道会社である。
 優等列車のカテゴリでは “赤い矢”号 「Frecciarossa」と “銀の矢” 号「Frecciargento」があり、共に「Eurostar Italia」のネーミングを持っていて、とくに前者は300Km/hの高速運行をしている。今回はローマ-フィレンツェ-ミラノ間を利用したユーロスター・イタリアを解説したい。

*「世界のリーディングホテル」は現在「週刊ホテルレストラン」で隔週刊第2・4週号にて連載中。
http://www.hoteresweb.com/columntop

Villa San Michele

ヴィラ サンミケーレ

「Villa San Michele」に至る美しいアプローチとエントランスゲート。
左側門柱にリーディングホテル「LHW」のロゴが確認できる。

上部遊歩道から俯瞰したサンミケーレ本館。
フィレンツェ郊外、市街地を見下ろすフィエーゾレの小高い丘の上に建つ。

「Villa San Michele」の正面ファサード。
ルネッサンス期の巨匠ミケランジェロの手により設計された。

歴史を感じさせる正面玄関前の美しい回廊。
ホテル建物の起源は15世紀初頭のフランシスコ派の修道院に遡る。

回廊には紫陽花を植えた大きな花瓶プレートが並ぶ。

控えめな佇まいのホテル正面玄関。

眩いシャンデリアが並ぶ壮麗なエントランスホール。
ここはかつての修道院礼拝室であった所だ。

逆方向の俯瞰。
左手にレセプション、右手にコンシェルジュデスクが見える。

レセプションデスクと奥に事務系デスクが並ぶ。
左側の一段高い所は、かつて礼拝室の祭壇が置かれていた場所である。

レセプションデスク。
修道院の礼拝室だったにもかかわらず、事務系デスクが違和感なく一体化されている。

ゲストリレーションを兼ねたコンシェルジュデスク。
天窓からの陽光がやさしく入ってくる。

キリストの「最後の晩餐」が描かれたフレスコ画が残るダイニング室。
驚きと共に厳粛な空気が流れる。

ミラノにある有名な「Santa Maria delle Grazie」教会にあるダ・ビンチ作「最後の晩餐」
とは一味違う鑑賞ができ、なによりあの大混雑の中での見学と違い独り占めの状態だ。

「最後の晩餐」の隣には落ち着いた個室風のラウンジがある。

さらに隣接して、天窓からの陽光が降り注ぐラウンジも用意されている。

やがて大きなホールに辿り着く。

ラウンジ・バーの「The Cloister Bar」。
ここは朝食時、ビュッフェの幅広い料理が並ぶ空間にも利用されている。

年代物のタペストリー下のコーナーにはフルーツやシリアル系のメニューが並ぶ。

作りたてのフルーツケーキやタルトも並ぶ。

このホールからメインダイニングルームの「The Loggia」へと連絡している。

ここがダイニングルームへの連絡口になっている。

メインダイニングルーム「The Loggia」。固定のガラス窓は無い半オープンエア方式で、
修道院当時の回廊を利用した壮麗かつ優雅な空間である。夕方のオープン前のテーブル
セッティングが終わったところで、フィレンツェの壮大な街並みを望むことができる。

ここでは食とワインの聖地、トスカーナの極めて質の高い豊穣の料理を
楽しむことができ、宿泊客以外でも多くの食通が訪れている。

メインダイニングルームの先端部分にはウェイティングバーの用意もある。

ディナーが始まり、専任の女性ソムリエがワインの説明をしている。

注文したパスタ料理を取り分けるチーフ。

チャーミングな女性ソムリエに促され、ワインのテイスティング。

Alfredo Prunotto Montestefano, Barbaresco DOCG, Italy

蟹肉入りホテル特製サラダ。

目の前で魚と海老を上手にさばく。この時点から天井ヒーターが点灯してしまって、
カメラレンズが赤色灯の色に反応してしまい画質がかなり赤みの強い色調になる。

メイン料理、和牛のステーキに焼き野菜添え。

メインダイニングルームを抜けると広々とした芝生の庭園に出る。

レモンやオリーブの木々、そしてバラが咲き乱れるイタリア式庭園を散策できる。

フィレンツェ旧市街の圧倒的景観を望める。夕暮れ時、周囲がオレンジ色に染まり
遠くドゥオーモやベッキオ宮殿が浮かんで見える景色は息をのむほどだ。

華やかなイタリア式庭園を歩いて行くと・・・・

正面に祠に収まった立像が見えて来る。

修道院当時の面影が色濃く残るホテル本館の横側部分。

やがて本館から離れたヴィラが見えて来る。

ヴィラスイートの可愛いガーデンエントランス。

ヴィラスイート玄関から見た専用ガーデンのテラス。

4つあるヴィラスイートの1つ「The Garden Suite」の天蓋付きベッドルーム。
約75㎡の広さを持つ余裕のレイアウトだ。

ガーデンを臨む優雅なシッティングエリア。

ベッドサイドから俯瞰するリビングルーム。

重厚な佇まいのリビングルーム。

リビングのライティングデスクからベッドルーム方向。

古典蔵書を模した、だまし絵風の扉が面白いTVコンソール。

リビングコーナーに置いてあるライティングデスク。

大きなバスタブのある余裕の広さのバスルーム。

男性用(左)と女性用(右)に別けて用意されるアメニティーボックス。
「BVLGARI」と、ロンドンは英国王室御用達「PENHALIGON’S」の豪華版だ。

バスルームからトイレ方向。

使い勝手の良いワードローブとオイルヒーターのタオル掛け。

余裕の広さのトイレルーム。

GMから届けられたウェルカムレターとシャンパン。

ナイトキャップにはチョコレートコーティングの苺。

リビングから望むガーデンテラス。

蔦の絡まるヴィラスイートの玄関口。

清々しい早朝、テラスでモーニングシャンパン。

ヴィラスイートの裏山にはトレッキング散歩が楽しめる遊歩道が続いている。

花が咲き乱れる庭園を歩いて行くと正面に・・・・

テラス付きのジュニアスイートが階段状に並んでいる。
すべて建物は蔦に覆われていて、景観を損なわぬ配慮がなされている。

丘の上には温水のスイミングプールが用意されている。

森に囲まれた静寂な雰囲気が気持ち良い。

森の反対側はフィレンツェ旧市街を一望する芝生になっている。

Officina Profumo-Farmaceutica di Santa Maria Novella

サンタ・マリア・ノヴェッラ 薬局

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会「Basillica di Santa Maria Novella」の正面ファサード。
9世紀ごろこの地に建てられたサンタ・マリア・ヴィーニェ礼拝堂が起源で、13世紀前半
にドミニコ会の修道士たちが新たな教会を建てる事としたのが現在の教会の原型である。

その当時、修道僧たちが薬草を栽培し薬剤を調合していたのがサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の始まりである。写真はVia della Scala通りにある薬局の正面エントランス。

エントランスから中央ホールまでの回廊。

ノヴェッラ薬局の荘厳たる雰囲気の中央ホール。
天井の装飾画と眩いシャンデリアに思わず息をのむ。

中央ホールに入ってすぐ左手にあるレセプション兼薬局デスク。

中央ホール出入り口付近の天井部分。
一歩この空間に入ると空気の中に漂っている芳しい香りに気付く。

薬局という概念から遠く離れた壮麗な空間である。
実は、この薬局の支店が東京の青山にあるので、ぜひ訪れて欲しいお勧めスポットだ。

さらに進むと可愛らしい小ホールに出会う。

ポプリを中心に“香り系”の販売デスクがある。

フィレンツェ周囲の丘から採れる花やハーブで作ったポプリの独特な香りに惹かれて、
筆者も思わず数種類のポプリを購入してしまった。

館内奥にある薬局資料展示室。

幾つもの小部屋があり、中には見事なフレスコ画で装飾された珠玉の部屋もある。

いちばん奥の部屋には再び薬局の販売デスクがある。

この様な感じで薬品が並べられている。

この部屋の天井はフレスコ画ではなくゴールドと純白のレリーフで飾られ、
やはり中央からシャンデリアが華を添える。

この部屋はサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の中庭に面している。

建物をぐるりと囲んでいる美しい“クロイスター”「列柱廊」が印象的だ。

筆者が購入した3種類のポプリ。

外装箱や包装紙があまりにも綺麗で個性溢れるものなので思わず写真を撮る。

Eurostar Italia, Trenitalia Railways

“トレニタリア” 旧イタリア国鉄

ローマ、フィウミチーノ空港に直結して、市内ターミナルのテルミニ駅との間を
結ぶ直通列車が運行されている。

エアポートシャトルの「レオナルド・エクスプレス」号がその列車で、
同区間をノンストップ31分で結んでいる。

ホームに停車中の「レオナルド・エクスプレス」。

極めてシンプルな車内。
しかし、料金はすべて1等席車両である。

やがてシャトルはローマ「テルミニ駅」28番ホームに到着する。

テルミニ駅の正面コンコース。
1947-51年に建設されたイタリア・モダニズム建築の最高傑作である。

この駅は巨匠ヴィットリオ・デ・シーカの最高傑作「終着駅」でも有名だ。

中2階テラスから俯瞰した賑やかな駅構内風景。

駅構内に設置してあるスマートなチケット自動発券機。

大きな発着電光掲示板の掲げられた駅構内風景。

入線して来たユーロスター・イタリアの先頭車。
トレニタリア「Trenitalia」の看板列車の1つだ。

正式には、“銀の矢”号「Frecciargento」という名称である。

ローマ11:45発、#9422-Frecciargentoの出発風景。

ファーストクラスの室内。

2+1の座席配置でゆったりしているが、やや高級感に欠ける。

やがて車掌がチケットの確認に来る。

車両連結部分。すっきりとしたレイアウトだ。

軽食ビストロカーの車内。
スタイリッシュで、いかにもイタリアらしいデザインだ。

売店部分から食堂座席部分への俯瞰。

こちらは一般座席と食堂座席の境目部分。

フィレンツェ中央駅である「サンタ・マリア・ノヴェッラ」駅正面。

天窓から陽光が差し込むコンコース。
ローマのテルミニ駅と同じイタリア・モダニズムの重要建築の1つだ。

前方にホームが並ぶ駅構内の様子。

ミラノに向かうユーロスター・イタリアの入線風景。
フィレンツェ12:55発、#9526-Frecciarossaにてミラノに向かう。

「Trenitalia」の最上位優等列車で、“赤い矢”号「Frecciarossa」の名称がある。

通常は「EUROSTAR / ITALIA」の名で300km/hの高速運行をしている。

ファーストクラスの車内。
1+2の座席配置で前述の「Frecciargento」より豪華な雰囲気だ。

ファーストクラスにはスナック菓子と飲み物のサービスが付く。

やがて列車はボローニャ駅に停車する。

ボローニャ駅に停車中のホームの様子。

ファーストクラスの一部にはプレミアム・ボックス席も用意されている。

ビストロカー「Sala Sistorante」に向かう連結部分。

ビストロカーの売店部分。

アメリカンスタイルだが、美味しいドルチェもある。

リストランテの食堂座席部分。
こちらはゆったりと食事を楽しむことができる。

やがて列車はミラノ中央駅に滑り込む。

列車が到着したホームの風景。
ホームを覆う屋根「Navata Centrale」が美しい。

平面エスカレーターが交差する中央コンコース。
クラシカルな駅の装飾性やデザイン性としては最高傑作であろう。

駅は1912年の最終コンペで優勝した建築家ウリッセ・スタッキーの作。
設計はワシントンDCのユニオンステーションを参考にした。

駅の建築様式は1つではなく、リバティー様式やアールデコなど混合様式である。
建築家のフランク・ロイド・ライトは「世界で最も美しい鉄道駅」と絶賛したという。

いつまでも見飽きることは無い美しい駅舎だ。
駅は、最終的には1931年に公式に落成した。

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