世界のリーディングホテル

2012-04 Archive

FranceⅡ

フランスⅡ – はじめに

 第21回特集はフランスⅡとしてロレーヌ地方のナンシー、ローヌ・アルプ地域圏の中心地リヨン、そしてプロヴァンスを代表するアヴィニョンの各都市から4つの個性あるホテルをご紹介します。今回はメッスからパリを含めてSNCF(フランス国鉄)のTGVを利用し、モンテカルロまで足を延ばしております。この機会にフランス高速鉄道の全容を併せてご案内したいと思います。

 ヨーロッパで “有名” といわれるホテルには、タイプが2つある。1つはホテル自体に話題性のあるもの、例えば歴史的な由緒ある建物とかスパやレストランが充実しているなどで「滞在して良かった」と、泊り客に思わせるようなホテル。もう1つは、立地条件が売り物で、あまりにも素晴らしい立地・環境ゆえに中にいるのが惜しい、むしろ「外から見て本当の魅力」が発見できるというホテルだ。
 今回紹介するホテルは、その強烈な個性なりオーラを放つゆえに、明らかにこの何れかのタイプに属すると判るものだ。残念ながら日本ではあまり紹介されていないホテルなので、この機会にその興味ある個性など詳しく公開したい。

*Grand Hotel de la Reine
 これ以上立地に恵まれたホテルも世界にそうあるものではない。フランスはロレーヌ地方の古都、ナンシー。東西ヨーロッパ交易の十字路として古くから栄えた美しい花の都だ。この地の領主だったロレーヌ侯爵はポーランド出身のスタニスラス公で、パリで見たコンコルド広場にいたく感銘し、それを手本として造らせたのがスタニスラス広場である。
 世界文化遺産に登録されている美しい広場は、ルイ15世統治時代の「ロココ様式の至宝の広場」と呼ばれる。現在のホテルとしての開業は1889年だが、1770年にはルイ16世に嫁ぐマリー・アントワネットも大随行団と共に滞在している。アールヌーボーが誕生した街であり、エミール・ガレやドーム兄弟が工房を構えた、そしてバカラ・グラスの故郷でもある、まさに絢爛たる芸術の花が開いた街である。

*Cour Des Loges
 実に14世紀から16世紀にかけて造られた、かつて地元の貴族や豪商の館だったルネッサンス様式の4つの建物を、今も現役で使用続けている文化財的なホテルである。これほど歴史的な建物を使用しているホテルも珍しく、リヨンの歴史遺産である花形ホテルだ。「Cour」という名前の通り、4つの館が屋上のガラスで覆われたコートヤードを囲んでいる。このコート(中庭)は現在メインダイニングとして使われ、中世の階段塔や美しいアーチの回廊を望められる。
 ホテルはリヨン旧市街の中心部にあるサン・ジャン歴史地区の象徴であるブッフ通りに位置している。旧市街のリヨン歴史地区は世界文化遺産に登録されており、名物の「トラブール」と呼ばれる抜け道や回廊が古い建物の中を縦横に貫いている。

*La Mirande
 アヴィニョンといえば真っ先に浮かぶのがアヴィニョン法王庁であろう。南仏プロヴァンスの中心都市で、14世紀初頭にカトリックの総本山であるローマ法王庁がアヴィニョンに移され、以来68年間に亘り法王庁として機能していた。ラ・ミランドはそんなアヴィニョンのシンボルである法王庁宮殿の真裏に位置するという、これ以上ない風格ある場所に建っている。
 17世紀には枢機卿の邸宅であったという由緒正しき建物を、1990年にホテルに改装したもので、まるで美術館のような華麗な貴族の館である。アンティーク家具や古美術絵画などの調度品を惜しみなくそこかしこに配し、18世紀調の気品ある雰囲気に、滞在するだけで往時の気分に思いを馳せる満足感に浸れる。ラ・ミランドはアヴィニョンで一番評判のミシュラン1ツ星レストランを有し、「Chef’s Table」としてクッキングスクールも開催して好評を博している。
 また、アヴィニョンには童話「アヴィニョンの橋の上で」で有名なサン・ベネゼ橋もあり、法王庁宮殿とサン・ベネゼ橋がセットで「アヴィニョン歴史地区」として世界文化遺産に登録されている。ラ・ミランドは抜群の立地と由緒ある建物を同時に楽しめる、数少ないホテルの1つといえよう。

*TGV & SNCF, French Railways
 CDG、シャルル・ド・ゴール空港は世界有数の巨大エアポートであるが、その利便性も世界屈指である。空港地下に巨大なTGV専用駅がありフランス各都市に連絡している。また、RERの地下駅もあり、こちらはパリ北駅経由でシャトレ/ レ・アル方面を結んでいる。
 今回はCDG空港駅-ロレーヌTGV駅間のTGV、メッス駅-ナンシー駅間の普通列車、ナンシー駅-パリ東駅間のTGV、パリ・リヨン駅-リヨン・パールデュ駅間のTGVを紹介したい。

*「世界のリーディングホテル」は現在「週刊ホテルレストラン」で隔週刊第2・4週号にて連載中。
http://www.hoteresweb.com/columntop

Grand Hotel de la Reine

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
世界文化遺産に登録されている絢爛豪華なスタニスラス広場。
その広場の中心に “ Grand Hotel de la Reine” 「王妃の館」が佇む。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
広場は壮麗な鉄骨細工に施された金と黒の色彩対比が見事な鉄柵の門に囲まれている。
「ロココ様式の至宝の広場」と呼ばれるナンシーを代表するランドマークだ。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
この地の領主でありルイ15世の義父に当たるポーランド出身のロレーヌ侯爵スタニスラス
が広場を造営した。広場の中央に建つスタニスラス公の銅像が左手に見える。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
ホテルは「ナンシー・ロレーヌオペラ劇場」と、まるでツインの建物の様に隣り合わせに
立地している。それがホテルのアクセントとなり、そしてこの広場の存在感を高めている。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
“Grand Hotel de la Reine” の正面ファサード。
ベルエポックの香り漂うルイ15世様式の建物である。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
ホテル前のテラス席。
ちょうど季節は冬、マイナスの外気温では人影はなかった。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
ホテル正面エントランス。
ホテルのロゴ・デザインがエレガントで美しい。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
レセプションデスク前のロビー・ホール。
右手にバーの入口が見える。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
壁に掛けられた美しいタペストリーと曲線が映えるアールヌーボーのらせん階段。
ロビー・ホールから続いている。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
大規模な改装修理が施されたばかりの「Royal Room」の一室。
この部屋は約45㎡の広さがある。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
案内された部屋はベットメーキングがなされる前の状態で、
ご覧のとおりベッドパッドも新品だ。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
クラシカルな雰囲気のバスルーム。外に面した窓から細長く続く古典的な造りの
バスルームで、ミュンヘンの「Vier Jahreszeiten」を思い出す。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
朝食専用に使用されているブレックファスト・ルーム。
3階部分が一番天井高のある造りで、外のスタニスラス広場の眺望が見事だ。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
シャンデリアが煌めく心地よい雰囲気のお部屋だ。
冬季、この時期はゲストの数は少ないという。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
ブレックファスト・ルームから俯瞰したスタニスラス広場。スタニスラス公の銅像
を中心に壮麗な建物が並んでいる。左手のひと際大きな建物が市庁舎である。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
1階エントランス脇にあるメインダイニング「Stanislas Restaurant」。
優雅なマリー・アントワネットの時代を思い起させるような空間である。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
メインダイニングと隣接したプライベート感覚のダイニングエリアからの俯瞰。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
まだ、あどけなさが残るマリー・アントワネットの可愛い肖像画。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
メインダイニングと通路を挟んでバー・コーナー「Stanislas Bar」がある。

グラン・ドテル・ド・ラ・レーヌ
バー・カウンターの隣にはエレガントな小サロンが設けてある。

Cour Des Loges

クール・デ・ロジェ

クール・デ・ロジェ
“Cour Des Loges” 「クール・デ・ロジェ」の正面エントランス。
リヨン旧市街の世界文化遺産「サン・ジャン歴史地区」の中心部に位置する。

クール・デ・ロジェ
エントランスから薄暗い回廊を通って行くとメインダイニングに辿り着く。

クール・デ・ロジェ
メインダイニング脇にクラシカルなコンシェルジュデスクがあり、
スタッフのフレンドリーな対応が心地良い。このホテルは「Sibuet Hotels & Spa」
のグループ傘下にあり、フランス各地に提携ホテルを持つ。

クール・デ・ロジェ
コンシェルジュの奥にあるレセプションデスク。
「Small Luxury Hotels of the World」、SLHの加盟ホテルでもある。

クール・デ・ロジェ
乗っていて楽しくなる、「だまし絵」のあるエレベーター。

クール・デ・ロジェ
エレベーター最上階で降りて、さらに階段でトップフロアに上がって行く。

クール・デ・ロジェ
トップフロアのペントハウス的構造の客室。「Superior Room」の客室で、
この上のカテゴリがJ・スイートになるので実質的にはデラックスタイプになる。

クール・デ・ロジェ
このホテルには様々なデザインの客室を持っていて、建物はかなり古いのだが
超モダンのタイプまである。この客室は約30㎡のクラシカルタイプだ。

クール・デ・ロジェ
ベッドルームから俯瞰するバスルーム。
バスタブが非常に大きく、モダンなスタイルとなっている。

クール・デ・ロジェ
バスルームからベッドルーム方向。

クール・デ・ロジェ
このホテルの最大の見どころのメインダイニング「Les Loges」。
中世の古い館の雰囲気を漂わす何とも言えない雰囲気だ。
今年2012年度最新版ミシュランで、見事1ツ星を獲得したレストランでもある。

クール・デ・ロジェ
かつて地元の貴族や豪商のルネッサンス様式の館をホテルに改修したもので、
客室外廊下の大きなアーチが独特の雰囲気を醸し出している。

クール・デ・ロジェ
レストランの奥の一角に、この様な個室風のスペースも設けてある。

クール・デ・ロジェ
洞窟風インテリアのバー、「The Bar」のラウンジ。

クール・デ・ロジェ
併設されているモダンなインテリアのスパ「Spa Pure Altitude」の内部。

クール・デ・ロジェ
ボタン一つで流れるプールに変化でき、かつ水深が非常に深く造られているので本格的
に泳ぐことが出来る。狭いスペースを有効に使って造られたスイミングプールである。

クール・デ・ロジェ
泳いだ後に寛ぐラウンジスペース。
ガラス張りの暖かい温室スタイルで、ここから外に出られる。

クール・デ・ロジェ
外に出るとこの様な中庭が広がり、ほっと癒される空間構成である。

クール・デ・ロジェ
竹林の広がる日本的な光景で、何処か日本の温泉旅館の風情だ。

クール・デ・ロジェ
ホテル内部は年代の違う建物が複雑に組み合わされている。
中世によく見られた「塔」も混在している。

クール・デ・ロジェ
建物上部の一角から見下ろしたコートヤードのメインダイニング。

Hotel Villa Florentine

オテル・ヴィラ・フロレンティーヌ

オテル・ヴィラ・フロレンティーヌ
リヨンのランドマーク、フルヴィエールの丘に向かう途中に可愛いプチホテルがある。
それが “Hotel Villa Florentine” で、リヨンの街を見下ろす急斜面に建っている。

オテル・ヴィラ・フロレンティーヌ
「Relais & Chateaux」に加盟するブティックホテルである。
人気レストランの「Les Terrasses de Lyon」を併設している。

オテル・ヴィラ・フロレンティーヌ
ゴージャスな雰囲気のレセプションデスク。
8つのスイートを含む全28室の豪華なプチホテルだ。

オテル・ヴィラ・フロレンティーヌ
奥のラウンジから俯瞰したレセプションとコンシェルジュデスク。

オテル・ヴィラ・フロレンティーヌ
レセプションから見たラウンジ。左手からレストランに通じている。

オテル・ヴィラ・フロレンティーヌ
この客室はスタンダードタイプの「Classic Room」。
約30㎡の広さがあり、眺望もよい。

オテル・ヴィラ・フロレンティーヌ
庭園側から見たミシュラン1ツ星レストラン「Les Terrasses de Lyon」のエントランス。

オテル・ヴィラ・フロレンティーヌ
レストランの全景と眼下に広がるリヨンの街並み。

オテル・ヴィラ・フロレンティーヌ
眺めの良いレストランのテラス席。
冬の季節は閑散としているが、陽気が良くなると予約で埋まる人気店だ。

オテル・ヴィラ・フロレンティーヌ
リヨンの街並みを見渡す庭園の一部。

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