世界のリーディングホテル

2012-06 Archive

“日本ホテルへの提言” 「週刊ホテルレストラン」

2012年1月6日号、誌上座談会

東洋大学、国際地域学部・国際観光学科

2012年6月12日講義

日本ホテルレストランコンサルタント協会

2010年12月13日講演


 


 


 

Monaco, Monte-Carlo

モナコ、モンテカルロ – はじめに

 第23回特集はモナコ、モンテカルロと題して、モナコを代表するSBM傘下の「オテル・ド・パリ」と姉妹ホテル「エルミタージュ」、そして地元セレブの評価が高い「メトロポール」をご紹介します。また、若き日のアラン・デュカスが飛翔した伝説の3ツ星レストラン「ル・ルイ・キャーンズ」も併せてご案内します。

 モナコのホテル・レストラン、もしくは観光産業を語る際に必ず言及されるのは、モンテカルロSBMグループの存在だ。“ソシエテ・デ・バン・ド・メール” 「La Societe des Bains de Mer」という名称のモナコ公国を主要株主とする半官半民の企業で、3000人の従業員を擁するモナコ最大の観光産業グループである。SBMは5つのカジノ、オテル・ド・パリやエルミタージュなどを含む4つのホテル、ミシュラン3ツ星からカジュアルスタイルを含めて33のレストラン、ヨーロッパ随一の規模と質を誇るスパなどを傘下に所有し、まさに国家挙げての巨大グループだ。

*Hotel de Paris
 そのSBMグループの旗艦オテル・ド・パリは、モンテカルロの象徴として歴史を刻んで来たパラスホテルである。著名なデザイナーのフランソワ・ブランの創作により、ベル・エポック様式の絢爛たる装飾美を誇示し、シャルル3世の夢を実現して1864年に開業した。荘厳ともいえるグランドロビーに一歩踏み入れると太陽王ルイ14世の騎馬像にゲストは迎えられる。騎馬像の右手にはアラン・デュカス監修の3ツ星レストラン「Le Louis XV」が悠然と店を構える。ロビーを進むと左手にコンシェルジュデスクがあり、その奥にマホガニーと鏡で囲まれた優雅な空間があり、レセプションデスクが2台用意されている。なおこのグランドロビーは、2011年7月のアルベール2世大公の婚礼を前に、巨匠ピエール・イヴ・ロションのデザインにより改装された。

*Le Louis XV
 4年以内に3ツ星を獲得するという契約で、オテル・ド・パリの総料理長という重責に挑んだ勇気あるシェフ、それは他ならぬ若き日のアラン・デュカスである。当時、オテル・ジュアナの「La Terrasse」で2ツ星を得ていた彼は、幼いころから料理に並々ならぬ関心を持ち、一流のシェフたちから多くのアイデアを学び独自のスタイルを築いていた。とりわけ師と仰ぐアラン・シャペルに、素材に厳格かつ忠実であることを教え込まれた。オーナーに当たるSBMの選択は間違いなかった。デュカスはまさに偉大なシェフの器だった。1990年3月、弱冠33歳で彼は約束の3ツ星を、実に就任から3年弱で手に入れてしまう。その後のデュカスは「Le Louis XV」を足場に世界のアラン・デュカスとして、日本はもちろん世界各国でその才能を認められ、大成功を収めたのはご承知の通りである。

*Hermitage Monte-Carlo
 “ベル・エポックの宝石” と称され地中海を見渡すオテル・エルミタージュは、ベル・エポック時代を象徴するエレガントな雰囲気を醸し出す優雅なホテルだ。「Hermitage」は “隠れ家” という意味を持ち、どこかサンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館を思い起こす壮麗な施設を持つ。1つは “冬の庭園” 「Jardin d’Hiver」で、パリのエッフェル塔の建築家で知られるギュスターヴ・エッフェルによって設計されたドーム状のロビーである。やわらかな日差しが差し込むステンドグラスの丸天井は優雅さを極め、国の重要文化財に指定されている。もう1つは「Salle Belle Epoque」で、ベル・エポックを象徴する絢爛かつ荘厳なボール・ルームに目を奪われる。

*Metropole Monte-Carlo
 “A modern hotel with a wonderful pedigree” 「由緒ある系統を誇るモダンなホテル」とホテルの歴史に掲げ、世界中のセレブリティ―から絶大な評価と人気を誇るモナコを代表するホテルだ。1886年に「Monte-Carlo Company Ltd」がローマ法王レオ13世の所有していた土地にホテルを建設したことに始まる。その後の変遷を経て、2004年に全面的なリニューアルを果たし、最新設備を誇る現代的なラグジュアリーホテルとして生まれ変わった。世界的なインテリアデザイナーであるジャック・ガルシア氏が内装を担当し、モダンでありながらこれまでの歴史と格式を尊重したデザインに統一された。伝統的な優美さに現代的テイストが見事に調和した美しいホテルとして世界中の顧客に愛されている。ホテル内にはミシュラン2ツ星レストラン「Joel Robuchon Monte-Carlo」と1ツ星レストラン「Yoshi」が店を構える。

 *「世界のリーディングホテル」は現在「週刊ホテルレストラン」で隔週刊第2・4週号にて連載中。
http://www.hoteresweb.com/columntop

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