世界のリーディングホテル

FranceⅡ

フランスⅡ – はじめに

 第21回特集はフランスⅡとしてロレーヌ地方のナンシー、ローヌ・アルプ地域圏の中心地リヨン、そしてプロヴァンスを代表するアヴィニョンの各都市から4つの個性あるホテルをご紹介します。今回はメッスからパリを含めてSNCF(フランス国鉄)のTGVを利用し、モンテカルロまで足を延ばしております。この機会にフランス高速鉄道の全容を併せてご案内したいと思います。

 ヨーロッパで “有名” といわれるホテルには、タイプが2つある。1つはホテル自体に話題性のあるもの、例えば歴史的な由緒ある建物とかスパやレストランが充実しているなどで「滞在して良かった」と、泊り客に思わせるようなホテル。もう1つは、立地条件が売り物で、あまりにも素晴らしい立地・環境ゆえに中にいるのが惜しい、むしろ「外から見て本当の魅力」が発見できるというホテルだ。
 今回紹介するホテルは、その強烈な個性なりオーラを放つゆえに、明らかにこの何れかのタイプに属すると判るものだ。残念ながら日本ではあまり紹介されていないホテルなので、この機会にその興味ある個性など詳しく公開したい。

*Grand Hotel de la Reine
 これ以上立地に恵まれたホテルも世界にそうあるものではない。フランスはロレーヌ地方の古都、ナンシー。東西ヨーロッパ交易の十字路として古くから栄えた美しい花の都だ。この地の領主だったロレーヌ侯爵はポーランド出身のスタニスラス公で、パリで見たコンコルド広場にいたく感銘し、それを手本として造らせたのがスタニスラス広場である。
 世界文化遺産に登録されている美しい広場は、ルイ15世統治時代の「ロココ様式の至宝の広場」と呼ばれる。現在のホテルとしての開業は1889年だが、1770年にはルイ16世に嫁ぐマリー・アントワネットも大随行団と共に滞在している。アールヌーボーが誕生した街であり、エミール・ガレやドーム兄弟が工房を構えた、そしてバカラ・グラスの故郷でもある、まさに絢爛たる芸術の花が開いた街である。

*Cour Des Loges
 実に14世紀から16世紀にかけて造られた、かつて地元の貴族や豪商の館だったルネッサンス様式の4つの建物を、今も現役で使用続けている文化財的なホテルである。これほど歴史的な建物を使用しているホテルも珍しく、リヨンの歴史遺産である花形ホテルだ。「Cour」という名前の通り、4つの館が屋上のガラスで覆われたコートヤードを囲んでいる。このコート(中庭)は現在メインダイニングとして使われ、中世の階段塔や美しいアーチの回廊を望められる。
 ホテルはリヨン旧市街の中心部にあるサン・ジャン歴史地区の象徴であるブッフ通りに位置している。旧市街のリヨン歴史地区は世界文化遺産に登録されており、名物の「トラブール」と呼ばれる抜け道や回廊が古い建物の中を縦横に貫いている。

*La Mirande
 アヴィニョンといえば真っ先に浮かぶのがアヴィニョン法王庁であろう。南仏プロヴァンスの中心都市で、14世紀初頭にカトリックの総本山であるローマ法王庁がアヴィニョンに移され、以来68年間に亘り法王庁として機能していた。ラ・ミランドはそんなアヴィニョンのシンボルである法王庁宮殿の真裏に位置するという、これ以上ない風格ある場所に建っている。
 17世紀には枢機卿の邸宅であったという由緒正しき建物を、1990年にホテルに改装したもので、まるで美術館のような華麗な貴族の館である。アンティーク家具や古美術絵画などの調度品を惜しみなくそこかしこに配し、18世紀調の気品ある雰囲気に、滞在するだけで往時の気分に思いを馳せる満足感に浸れる。ラ・ミランドはアヴィニョンで一番評判のミシュラン1ツ星レストランを有し、「Chef’s Table」としてクッキングスクールも開催して好評を博している。
 また、アヴィニョンには童話「アヴィニョンの橋の上で」で有名なサン・ベネゼ橋もあり、法王庁宮殿とサン・ベネゼ橋がセットで「アヴィニョン歴史地区」として世界文化遺産に登録されている。ラ・ミランドは抜群の立地と由緒ある建物を同時に楽しめる、数少ないホテルの1つといえよう。

*TGV & SNCF, French Railways
 CDG、シャルル・ド・ゴール空港は世界有数の巨大エアポートであるが、その利便性も世界屈指である。空港地下に巨大なTGV専用駅がありフランス各都市に連絡している。また、RERの地下駅もあり、こちらはパリ北駅経由でシャトレ/ レ・アル方面を結んでいる。
 今回はCDG空港駅-ロレーヌTGV駅間のTGV、メッス駅-ナンシー駅間の普通列車、ナンシー駅-パリ東駅間のTGV、パリ・リヨン駅-リヨン・パールデュ駅間のTGVを紹介したい。

*「世界のリーディングホテル」は現在「週刊ホテルレストラン」で隔週刊第2・4週号にて連載中。
http://www.hoteresweb.com/columntop

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