
Edition 12/ Hong Kong Ⅰ
Hong Kong Island Area
香港Ⅰ、香港島側サイド - はじめに
第12回特集は香港Ⅰとして香港島側にある7ホテルのご紹介をして、次回に香港Ⅱとして九龍側サイドのホテルをご案内する予定です。香港はご承知の通り世界中のリーディングホテルが競って営業展開をしている都市で、あらゆるホテルブランドが集中している。1970年代まで主要ホテルとしては、ペニンシュラ、シェラトン、マンダリン、ヒルトンなど数えるくらいの程度であった。衝撃的だったのは1980年開業のリージェント香港である。香港島の摩天楼を目の前に見る理想的な立地を誇り、いきなり「Institutional Investor」誌の上位にランクインして、ホテル業界に旋風を巻き起こした。
その後の香港におけるホテル開業ラッシュは実に驚異的と言える。香港島側サイドではパシフィックプレイスのオープンに合わせて、1989年にマリオットグループの旗艦JWマリオットが開業した。その後90年にはヒルトン最上級ブランドのコンラッドが、そして91年には九龍側シャングリラに続いてアイランド・シャングリラが開業を果たした。この3ホテルをもって金鐘アドミラリティー地区のホテル勢力圏は完成した。一方、灣仔ワンチャイ地区は1997年の香港返還式典会場、香港コンベンションセンターを挟んで全549室のグランドハイアットと、全860室のマリオット系ルネッサンス・ハバービューの大規模ホテルが1989年に揃って開業している。
中環セントラル地区では老舗名門のマンダリン・オリエンタルが2005年末から06年9月まで全館閉鎖して徹底的な大改修を行い、その間を埋める形でランドマーク・マンダリンが05年に開業した。現在はホテルの王道を行くマンダリンと、Wホテルを高級化したようなデザイナーズ系を行くランドマーク・マンダリンの両ホテルがセントラル地区の基盤を固めて居る。その一方、古典的ラグジュアリー感で人気のリッツカールトンは1993年の開業であったが、2008年1月に約14年の営業でその幕を閉じた。その後様々な憶測を呼んだが、今年3月末に世界最高層のホテルとして九龍側に華々しく帰ってきた。
香港島側で最も大きな話題を提供したのはフォーシーズンズ香港であろう。国際金融中心Ⅱのある巨大なIFCショッピングモールの一角に2005年に開業した。空港と結ぶエアポートエクスプレスの香港地下駅と直結した利便性を誇る、45階建て全399室のホテルである。特筆すべきはミシュラン三つ星レストランを、フレンチとチャイニーズの2料飲施設を擁していることである。この快挙は世界的にも極めて稀で、「Institutional Investor」誌のトップ10に連続してランクインしているのも頷ける。また、2009年秋に開業したアッパーハウスも話題の一つだ。本格的デザイナーズホテルの誕生で、優雅な香港の隠れ家「ハイダウェイ」がメディアの注目を集めた。
銅鑼灣コーズウェイベイと上環ションワン地区には中小規模のホテルが主体だが、中には興味深いブティックホテルも最近多くなってきた。この地区はむしろ骨董品街やアジアンレストランに注目だ。この様に有機生物のごとく進化を続ける香港のホテル勢力図の変遷に、興味が尽きることはないであろう。同じような展開が九龍側サイドでも起こっており、次回は香港Ⅱとして特集する予定であります。
謹告:
「世界のリーディングホテル」は6月よりオータパブリケイションズ刊「週刊ホテルレストラン」誌上で連載中です。毎月2・4の偶数週で掲載しておりますので、どうぞ一度手に取って頂ければ幸いです。また、WEB上でもタイムラグはありますがご覧になれます。
www.hoteresweb.com/columntop
- 2011-07-18 (Mon)
- Edition 12/ Hong Kong Ⅰ
Four Seasons Hotel Hong Kong
フォーシーズンズホテル香港
香港島で最高層のビルである国際金融中心Ⅱ(Two IFC)の隣にあり、巨大ショッピングモール(IFCモール)の一角にホテルは立地。45階建で、ゲストルームは9階から43階までを占める。
右側の建物はフォーシーズンズの超高級レジデンスである。
IFCモールと連結されているのでショッピングには便利である。また空港間を結ぶエアポートエクスプレスの香港地下駅とも直結され、交通の便も至極良好である。
メインエントランスのベルスタッフたち。
フォーシーズンズ香港は2005年に開業し、
スイート57室を含む全399室を擁する。これは翌年06年訪問時の写真である。
あまりにも広いロビーフロアでとても全体の様子が収まりきれないくらいだ。
2006年、年も押しせまり大晦日前日の大いに賑わいを見せるロビー風景。
前述した超高級レジデンス「Four Seasons Place」の正面エントランス。
ホテル側ロビーと通路で連絡している。
ホテルとはひと味違うコンセプトで優雅な気品ある香りが漂う。
33階部分のエレベーターホール。
シンプル&モダンで余裕の広さだ
同じく客室前の廊下。
すっきりした好感の持てるレイアウトだ。
この部屋は33階にあるデラックス・ピークビュールームの客室で45㎡の広さがある。
ナチュラルな色使いのデザインが基調だ。
使い勝手の良いライティングデスクと2台の機能的なチェアが良い。
大型の一面ガラスのウインドウから、ビクトリアピークとセントラルの市内が見渡せる。
ライティングデスクから玄関ドア方向の俯瞰。
コンテンポラリーとアジアンテイストの融合したデザインで、特に木目が美しい。
チェックイン後しばらくしてGMよりフレンチワイン、特製チョコレート、
フルーツ盛り合わせなどが届けられた。
直線主体でモダンなデザインのバスルームとパウダーコーナー。
左右にトイレ、シャワーブースがある。
深めに設計されたバスタブ。
さりげなく大型のミラーにビルトインされたTVモニターがスマートだ。
45階にあるエグゼクティブクラブのレセプション。
右手にビジネスセンターがあり、左手を進むとクラブラウンジに向かう。
リッツカールトンのクラブラウンジと比較して、かなり開放的な雰囲気を感じる。
ここは特定のクラブフロアというものは無く、追加料金を払えばラウンジの利用ができる。
6階には大規模なスパがある。
これはエントランスにあるスパのロゴが入った巨大なオブジェだ。
スパのレセプションカウンター。
明るく気さくなスタッフたち。左手を進むとプールに出られる。
スパに併設された屋外プールとしてはかなりの規模を誇る。
大きめのプールが2面あり、こちらは一般用の多目的プール。
手前はレーンロープが張られた競技用スイミングプールだ。
ホテルの屋外プールでこれだけ大規模の施設は極めて珍しい。
プール先端部には気持ちの良いジャグジーが設置されている。
ここから対岸、九龍サイドの超高層ビル群を真正面に見渡せる。特に西九龍開発区に完成した高さ約490m、118階建ての環球貿易広場(ICC)を真近に眺めることができる。
因みにこのICCの102-118階にリッツカールトン香港が3月末に開業している。
スパのある6階からレストラン「Caprice」に向かう途中に、
このような吹き抜けから見下ろせる回廊の部分がある。
下に見えるのは、バンケットフロアのパーティーの様子だ。
6階にあるメインダイニング「Caprice」。
2010年にミシュラン三つ星を獲得したフレンチレストランである。
チェコ製のクリスタルシャンデリアが優雅な雰囲気を演出している。
「Caprice」はオープンキッチンをコンセプトに取り入れている。
写真左手にあるキッチンからシェフの技や食材の香りに興味が湧いてくる。
4階にある広東料理「Lung King Heen」。漢字で「龍景軒」と書く名店中の名店だ。
レセプションでは予約の注文電話がひっきりなしで架かってくる。
何故かというと、
2008年度版ミシュランガイドで香港初そして唯一の三つ星レストランだからである。シルバーとガラスが煌めく内装は香港の夜景をイメージしたそうだ。
ロビーフロアにあるオールデイダイニング「The Lounge」。
中央にある「Allium」のフラワーアレンジメントが有名だ。
日中はこの様にピアノ生演奏がゲストにプレゼンテーションされる。
夜はジャズ演奏が楽しめるそうだ。
同じくロビーフロアにある「Blue Bar」のエントランス。
ホテルロビーからレジデンス棟への連絡通路際にある。
オープン前の準備に忙しいスタッフたち。基本はバーなのだが、
朝食、ランチも用意されている。特に朝食のビュッフェは多様な食材が楽しめる。
一番奥まった所に素敵なテーブル席が用意されている。
- 2011-07-18 (Mon)
- Four Seasons Hotel Hong Kong
Mandarin Oriental Hong Kong
マンダリン・オリエンタル香港
スタチュースクエアから俯瞰したマンダリン・オリエンタル香港。
右手のビルは香港島最高層の国際金融中心Ⅱ(Two IFC)である。
コンノート・ロードに面したメインエントランス。
お馴染みのゴールドのマンダリン扇子が美しい。
コンシェルジュカウンター。レセプションカウンターと対面していて、
スタッフのきびきびとした対応と制服がスマートだ。
中2階から俯瞰したロビーラウンジ。
歴史の重みと洗練された美しさが印象的だ。
グランドフロアのエレベーターホール。
重厚で正統派のレイアウトだ。
ライティングデスクからキングベッド方向の俯瞰。
この部屋はスーペリアルームのタイプで約40㎡の広さだ。
前回の徹底的なリノベーションを経て見違えるように明るくなった。
ウインドウも大型の全面ガラスで、香港セントラルの眺めも良い。
壁紙よりも木目を多用した重厚なインテリア。
決して広くはないが使い勝手は良好である。
木目の重厚感と、全面ガラスからの開放感とのバランスが良く取れている。
面白いのは部屋の中程でベッドエリアとパウダーエリアを区分して、
中間点に独立したトイレ個室を設けた事だ。(写真左の木製ドア)
こちらがパウダーコーナーとバスタブ。
右側にグラス類やアメニティーが並ぶスマートな飾り棚がある。
クリッパーラウンジのエントランス。
マンダリン開業時から長い歴史を持つ伝説的なレストランだ。
中2階にあるマンダリン・ケーキショップ。
ケーキとスイーツが宝石のように陳列されている。
マンダリンSPA内部のパウダーコーナー。
見られている事を意識したデザインセンスで、まさに見ていて楽しくなる。
ループ階段で上に昇って行くとジャグジーがある。
湯加減も良く疲れてきたら、前に並んでいる・・・・
この様な籐で作られたデッキチェアでリラックスできる。
半個室タイプのデザイン性豊かなコーナーである。
マンダリンスパにはこの様なスイミングプールも併設されている。
香港セントラルの主要ビル群は連絡回廊で結ばれており、
ランドマークにあるマンダリンへも回廊で直結している。
これは隣のプリンスビルからの回廊で結ばれた、ホテル裏方にある出入り口だ。
- 2011-07-18 (Mon)
- Mandarin Oriental Hong Kong
The Landmark Mandarin Oriental Hong Kong
ザ・ランドマーク・マンダリン・オリエンタル香港
香港の中心街、クイーンズ・ロード・セントラルの様子だ。
グッチの左隣にランドマーク・マンダリン・オリエンタルがあり、
その左手に各ビル間を結ぶ連絡回廊が見える。
マンダリン・オリエンタル香港のゴールド扇子に対抗して、
こちらはプラチナのマンダリン扇子のロゴマークをエントランスに掲げている。
ザ・ランドマーク・マンダリン・オリエンタルのメインエントランス。
前述したマンダリン・オリエンタルとはコンセプトも客層も違ってくる。
エントランスからスタイリッシュな階段を昇るとロビーラウンジに導かれる。
右側にレセプションカウンターがあり、左手にコンシェルジュが見える。
前写真の反対方向の俯瞰である。
デザイン性豊かな気品のある空間構成だ。
客室に向かうエレベーターホール。
シンプル&モダンの究極の形かも知れない。
客室タイプは単純明快で、L450、L600、L900以上のスイートの3段階のカテゴリである。
今回はL450のタイプを利用した。写真は玄関ホワイエからのリビングルームの俯瞰。
リビングからベッドルーム方向の俯瞰。
L450というのは450 平方フィートから来ていて、約42㎡の広さである。
この部屋の特徴はこの円形のバスタブで、
右側にある引き戸を開けるとベッドルームと一体化する。
左側のパウダーコーナーもかなりコンテンポラリーなデザイン構成だ。
メインダイニング「AMBER」のバーコーナー。
レストランの斜め角にあり、隠れ家的雰囲気だ。
メインダイニング「AMBER」の店内の様子。
香港コンテンポラリーフレンチの最高峰で、
ミシュランガイド2010年版で二つ星を獲得している。
「The Oriental Spa」のレセプションカウンター。
5階と6階の大部分を占める1850㎡の規模を誇る施設である。
レセプションの周りには様々なグッズが綺麗にプレゼンテーションされている。
「Vitality Pools and Tepidarium Chairs」ホテル提供写真。
バイタリティープールで筋肉の緊張をゆるめ、
微温寝椅子でゆったりと日々のストレスを解放できる。
その他スイミングプールやサウナ、トルコ風ハマムなど豊富な施設を有している。
こちらはランドマーク側から連絡している出入り口。
前述のロビーフロアに直結している。
- 2011-07-18 (Mon)
- The Landmark Mandarin Oriental
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