世界のリーディングホテル

Edition 14/ Taiwan

Taiwan, Taipei and Kaohsiung

台湾、台北と高雄 – はじめに

第14回特集は台湾の2大都市として、台北と高雄の最新ホテル事情をご紹介し、併せて日本の新幹線技術を導入した台湾高鐵をご案内します。

台北のホテルは当初中山北路周辺のリージェント台北を中心に、老舗の国賓大飯店、老爺酒店や台北駅周辺のシェラトンなどが隆盛を誇ったが、台北の市域が東側に拡大されて行くのにリンクしてホテルの新規開業も移って行った。台北101タワーの竣工を期に地下鉄MRTの市政府駅周辺が新都心として大規模開発され、多くのブティックやデパートが立ち並ぶファッショナブルな街へと大変貌を遂げた。これが信義新都心で、ここにWホテル、ル・メリディアン、グランドハイアットなどが開業している。そのほか復興北路周辺のシャーウッド、ウェスティンなども人気ホテルだ。

台北のホテル立地分布を大別すると以下の様になる。
中山北路・南路周辺: Grand Formosa Regent, Ambassador, Royal Taipei, Sheraton, etc.
復興北路・南路周辺: Sherwood, Westin, Howard Plaza, Shangri-La Far Eastern, etc.
信義新都心周辺: W Hotel Taipei, Le Meridien Taipei, Grand Hyatt Taipei, etc.
市北部圓山周辺: The Grand Hotel

*The Regent Taipei /Grand Formosa Regent(晶華酒店)
1990年に絶頂期のリージェント・インターナショナル・ホテルズのブランドでオープンした。当時まだ成熟していなかった台北のホテル業界に大変革をもたらし、台北一の格式を誇るホテルとして君臨する事になる。しかし、その後の変遷は多義に渡り現在も複雑を極める。92年にリージェントはフォーシーズンズの傘下に入り、97年にリージェント・ブランドは米国カールソン・ホテルズ・ワールドワイドに譲渡された。2010年になり晶華酒店(グランド・フォルモサ・リージェントホテル)はカールソンよりリージェント・ブランドを買収するに至った。台湾のホテルが超高級国際ブランドを買収するのは史上初めての事である。したがって正式の名称はグランド・フォルモサ・リージェントなのだが、ホテル建物内の銘板やWebサイトの案内も、「The Regent Taipei」の名称を現在も使用したままである。今回利用したTai Pan「大班」は04年に大改修を施し18・19階にオープンした特別フロアで、バトラーサービスやクラブラウンジでのフード&ドリンクなどの特典がある。

*The Grand Hotel (圓山大飯店)
圓山大飯店は日本統治時代に建立された台湾神宮の跡地を利用して、独立後の1952年に台湾旅行社が経営する台湾大飯店として開業した。その後、圓山大飯店と呼称変更し、現在は14階建て全487室の陣容を誇る現代における中国宮殿建築の代表格となっている。ホテルというよりはその美しい建築様式と細部に施されている彫刻など博物館の様相を呈している。初期の段階では多くの国家元首が宿泊する迎賓館的役割を担っていたが、時代が移るにつれてその性格が変化して来た。巨大さ故にリノベーションが遅れ、また過信によるホスピタリティー意識の低下で、個人の優良顧客が市中心部にあるファッショナブルな外資系ホテルに移って行った。気が付くと上級の団体客専用のホテルになってしまった感がある。もう一度初心に戻り従業員の再教育を含めて、ハード、ソフト両面でのテコ入れを図り過去の栄光を取り戻して貰いたいと願うものである。

*The Splendor Kaohsiung
台湾第2の大都市、高雄を代表するザ・スプレンダー高雄は、建物の中心が空洞となった独特の形状をした高雄85ビルディングの上層階に開業した。地上85階、高さ378mを誇るスカイタワーで1999年に竣工した。その高さは当時台湾一、世界でも8位を誇ったが台北101が完成した現在は世界16位となっている。そんな大都会でもワールドクラスのホテルはまだ一軒も無く、スプレンダー高雄も残念ながら一級品とは言い難い。何よりも客室のインテリア感覚が乏しく、トータルなデザイン性に少なからず不満も残る。そんな中、会員制の皇廷倶楽部のホスピタリティーに幾らか救われた感じであった。

*台湾高鐵(台湾新幹線)
台北と高雄を結ぶ高速鉄道で、台湾高鐵(英語名、Taiwan High Speed Rail)と呼ばれる。高雄駅は市中心部の北部にある左営地区に建設された為、左営駅となっている。台北-高雄間を通常約2時間の所要時間だが、最速列車(台中、板橋の2駅停車)だと約1時間半で結んでいる。当初は仏・独の欧州連合の落札であったが、独のICE脱線事故や1999年の台湾大地震の発生後、地震に強い日本の新幹線技術が見直される事になる。最終的には車両の日本連合に配電・制御の独・仏連合が加わる、日欧混在システムの形で決着し2007年の開業にこぎつけた。

*「世界のリーディングホテル」は現在「週刊ホテルレストラン」で隔週刊第2・4週号にて連載中。
http://www.hoteresweb.com/columntop

The Regent Taipei/ Grand Formosa Regent

グランド・フォルモサ・リージェント台北

グランド・フォルモサ・リージェント台北
街路樹の美しい中山北路に面して建つグランド・フォルモサ・リージェントの正面ファサード。
建物の間口は狭い様に見えるが、奥行きはかなり広い。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
台湾では「晶華酒店」の名称で、スイートを含む全538室を有する21階建ての名門ホテルだ。
リージェント・ブランドは現在「Formosa International Hotels Corp」の傘下にある。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
高級車が並ぶエントランス車寄せ。
「ザ・リージェント台北」時代と変わらぬ賑わいを見せている。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
ゆったりとしたグランドロビー全景。
左手にレセプションデスク、右手にコンシェルジュデスクのレイアウトだ。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
レセプションデスク。
ベルスタッフやレストランを除いて、ホテルスタッフ全員が女性であった。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
グランドロビーとエレベーターホールの間にあるラウンジ。
中央エレベーターホールの先は大きな吹き抜けとなりレストラン街がある。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
19階にあるTai Pan クラブラウンジに向かうエレベーターホール。
Tai Pan とは「大班」と書き、ホテルのエグゼクティブ・フロアである。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
Tai Pan クラブフロアのレセプションデスク。
マンダリン・オリエンタルでも一部のホテルでTai Pan「大班」クラブフロアがある。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
レセプションデスクの背後に広がるクラブラウンジ。
どちらかというとビジネス色が強い感じだ。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
中心部はソファセットが主体で、ラウンジの両サイドにテーブル席がある。
正面マガジンラックの右側にはコンピュータールームを設置している。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
ラウンジに付随してフードコートがあり、多彩なフード&ビバレッジを用意している。
朝食もここで用意され、専任のコックさんに麺や卵料理を作ってもらえる。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
玄関を入ってすぐのホワイエの部分。
さりげなく胡蝶蘭が出迎えてくれて昂揚感が高まる。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
ライティングデスクから見た玄関ドアとホワイエの空間。
木目の重厚感がインテリアのセンスを引き出している。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
同じくライティングデスクから俯瞰したリビングスペース。
右手に広大なベッドルームが広がる。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
リビングからベッドルーム方向。
正面の壁にビルトインされているTVは回転する事ができ、
ベッドルーム側でもOKの優れものである。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
この部屋は19階のTai Pan フロアにあるエリート・スイートという客室で、
約63㎡の広さである。 Tai Pan フロアは18-19階を占めており、
2004年に全面改装してオープンした。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
ベッドルームからリビングルーム方向。
前述のTVは回転してこちら側にも向けられる。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
優れたデザイン性の洗面カウンターであるが、残念ながらやや狭い感じだ。
丸ミラーの上にTVモニターがあり、バスタブからリモコンで操作できる。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
全面大理石が張られて豪華な雰囲気である。
バスタブは大型の深いタイプで使い勝手は良好だ。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
20階にある「Wellspring SPA」のレセプションデスク。
「沐蘭」という優雅な中国名のスパだ。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
スパ・レセプションフロアの一角にあるラウンジ。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
最上階21階にある会員制のレストラン「蘭亭、Lan Ting」。
会員制組織のフォルモサ国際クラブ、「Silks Club」の中にあるレストランである。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
ルーフトップのスイミングプール。
最上階21階の「蘭亭」の反対側を進んで行くと屋上に出られる。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
正面から見たスイミングプール。
この日はあいにくの雨模様でゲストの姿はなかった。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
3階にある上海料理の「晶華軒、Silks House」。
伝統の山水画にモダンライティングとガラスアートがコンセプトの美しいエントランスだ。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
「晶華軒」のレセプションデスク。
台北でもトップクラスの人気と格式を誇る中国料理店だ。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
2階にあるグリルと鉄板焼きレストランの中央にあるレセプションデスク。
円形デスクの背後にグリルがあり、右手に鉄板焼きレストランがある。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
左手にビーフ&シーフードのグリル「Robin’s Grill」。
右手のワイン・ディスプレイ棚の奥に鉄板焼きレストランがある。

グランド・フォルモサ・リージェント台北
こちらが鉄板焼きレストランの「Robin’s Teppanyaki」。
奥が広く、8-30名用の個室が4室用意されている。

Grand Hyatt Taipei

グランドハイアット台北

グランドハイアット台北
忠孝東路から信義路にかけては台湾の新都心となっている。
その中でも101階建ての「台北101大樓」は台北の新ランドマークだ。
手前は台北市政府の庁舎で、グランドハイアットはその背後にある。

グランドハイアット台北
グランドハイアット台北の正面ファサード。
左手に台北101のタワーが見える。

グランドハイアット台北
正面エントランス車寄せ。
広大なスペースを確保している。

グランドハイアット台北
広大なグランドロビーで、上部は吹き抜けになっている。
90のスイートを含む全852室の巨大ホテルである。

グランドハイアット台北
余裕のスペースを持つレセプションデスク。
コンシェルジュデスクと連結した一文字カウンターのスタイルだ。

グランドハイアット台北
グランドクラブのレセプションデスク。
20-24階部分がグランドクラブフロアになっている。
ハイアットリージェンシーのリージェンシークラブに相当する。

グランドハイアット台北
グランドクラブの専用ラウンジ。
朝食やオードブルなどフード&ドリンクのプレゼンテーションがある。

グランドハイアット台北
オーセンティックな室内インテリアの客室だ。
この部屋はクラブフロアにあるクラブキングの客室で約35㎡の広さである。

グランドハイアット台北
ライティングデスクより玄関ドア方向。
 

グランドハイアット台北
やや狭い感じのバスルーム。
洗面カウンターももう少し余裕が欲しい。

グランドハイアット台北
グランドロビーは広大な吹き抜けになっており、
中を囲む様に中4階までレストラン、バー、ボールルーム等の施設が入っている。

グランドハイアット台北
中2階にある、中華海鮮料理の「漂亮、Pearl Liang」。
最も新しいレストランで禅の雰囲気がコンセプトだ。

グランドハイアット台北
ビュフェスタイルの「凱菲屋、Cafe」。
和・洋・中と多彩なジャンルの揃う便利なビュフェレストラン。

グランドハイアット台北
本格的上海料理の「滬悦庭、Shanghai Court」。
ホテルで一番人気と格式のレストランだ。

W Taipei

Wホテル台北

Wホテル台北
Wホテル台北の正面エントランス車寄せ。
トレードマークの大きな「W」のロゴが目を引く。

Wホテル台北
新都心の信義区にあり、MRT(地下鉄)市政府駅に直結して最高の立地である。
MRTと直結した統一阪急百貨店と同じビルの上層階をWホテルが占めている。

Wホテル台北
広い空間と斬新なデザインの1階エントランスロビー。
台北の一番ファッショナブルな地区にあり、いかにもWらしいインテリアである。

Wホテル台北
10階のエレベーターホール。
レセプションロビーのある10階が基本階になり、レストラン、バー等の施設が集中している。

Wホテル台北
Wホテルのレセプションデスク。
いつもの様にWホテルでは、ウェルカムデスクの呼称である。

Wホテル台北
ウェルカムデスクの左側にはロビーラウンジの「Living Room」が広がっている。
ここを抜けて各レストラン、バーへと導かれる。

Wホテル台北
ロビーラウンジに接して、ブティックの「W The Store」がある。
WホテルオリジナルのTシャツなどデザイン商品が並ぶ。

Wホテル台北
ビュフェ形式のレストラン「The Kitchen Table」。
Wホテルの各レストランにはテーマカラーが設定されている。

Wホテル台北
「The Kitchen Table」のテーマカラーは黄色で、
それぞれの色をモチーフにインテリアが統一されている。

Wホテル台北
レストランの外にはオープンエアの席もあり、楽しい空間構成である。
残念ながら台北は雨が続き、この日も小雨の状態だった。

Wホテル台北
10階にはこのようなルーフトップのスイミングプールがあり、
プールの名前もお馴染みの「WET」である。
プールの周りにはレストランやバーが囲むように並んでいる。

Wホテル台北
プールサイドバーの「Bar at WET」。
プール横の大きな間口のバーで、本来はガラス戸がオープンの状態である。

Wホテル台北
バー「WET」の店内の様子。テーマカラーは緑だ。
カウンター背後には数万本の丸太の木材が埋め込まれている。

Wホテル台北
プールサイドにはもう1軒バーがある。
「WOOBAR」という名前で、外には遊び心満点のゆりかごが何個も置かれている。

Wホテル台北
「WOOBAR」店内から俯瞰したルーフトップのスイミングプール「WET」。
 

Wホテル台北
「WOOBAR」のカウンター席。
ここのテーマカラーは赤である。

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