世界のリーディングホテル

Edition 23/ Monaco

Monaco, Monte-Carlo

モナコ、モンテカルロ – はじめに

 第23回特集はモナコ、モンテカルロと題して、モナコを代表するSBM傘下の「オテル・ド・パリ」と姉妹ホテル「エルミタージュ」、そして地元セレブの評価が高い「メトロポール」をご紹介します。また、若き日のアラン・デュカスが飛翔した伝説の3ツ星レストラン「ル・ルイ・キャーンズ」も併せてご案内します。

 モナコのホテル・レストラン、もしくは観光産業を語る際に必ず言及されるのは、モンテカルロSBMグループの存在だ。“ソシエテ・デ・バン・ド・メール” 「La Societe des Bains de Mer」という名称のモナコ公国を主要株主とする半官半民の企業で、3000人の従業員を擁するモナコ最大の観光産業グループである。SBMは5つのカジノ、オテル・ド・パリやエルミタージュなどを含む4つのホテル、ミシュラン3ツ星からカジュアルスタイルを含めて33のレストラン、ヨーロッパ随一の規模と質を誇るスパなどを傘下に所有し、まさに国家挙げての巨大グループだ。

*Hotel de Paris
 そのSBMグループの旗艦オテル・ド・パリは、モンテカルロの象徴として歴史を刻んで来たパラスホテルである。著名なデザイナーのフランソワ・ブランの創作により、ベル・エポック様式の絢爛たる装飾美を誇示し、シャルル3世の夢を実現して1864年に開業した。荘厳ともいえるグランドロビーに一歩踏み入れると太陽王ルイ14世の騎馬像にゲストは迎えられる。騎馬像の右手にはアラン・デュカス監修の3ツ星レストラン「Le Louis XV」が悠然と店を構える。ロビーを進むと左手にコンシェルジュデスクがあり、その奥にマホガニーと鏡で囲まれた優雅な空間があり、レセプションデスクが2台用意されている。なおこのグランドロビーは、2011年7月のアルベール2世大公の婚礼を前に、巨匠ピエール・イヴ・ロションのデザインにより改装された。

*Le Louis XV
 4年以内に3ツ星を獲得するという契約で、オテル・ド・パリの総料理長という重責に挑んだ勇気あるシェフ、それは他ならぬ若き日のアラン・デュカスである。当時、オテル・ジュアナの「La Terrasse」で2ツ星を得ていた彼は、幼いころから料理に並々ならぬ関心を持ち、一流のシェフたちから多くのアイデアを学び独自のスタイルを築いていた。とりわけ師と仰ぐアラン・シャペルに、素材に厳格かつ忠実であることを教え込まれた。オーナーに当たるSBMの選択は間違いなかった。デュカスはまさに偉大なシェフの器だった。1990年3月、弱冠33歳で彼は約束の3ツ星を、実に就任から3年弱で手に入れてしまう。その後のデュカスは「Le Louis XV」を足場に世界のアラン・デュカスとして、日本はもちろん世界各国でその才能を認められ、大成功を収めたのはご承知の通りである。

*Hermitage Monte-Carlo
 “ベル・エポックの宝石” と称され地中海を見渡すオテル・エルミタージュは、ベル・エポック時代を象徴するエレガントな雰囲気を醸し出す優雅なホテルだ。「Hermitage」は “隠れ家” という意味を持ち、どこかサンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館を思い起こす壮麗な施設を持つ。1つは “冬の庭園” 「Jardin d’Hiver」で、パリのエッフェル塔の建築家で知られるギュスターヴ・エッフェルによって設計されたドーム状のロビーである。やわらかな日差しが差し込むステンドグラスの丸天井は優雅さを極め、国の重要文化財に指定されている。もう1つは「Salle Belle Epoque」で、ベル・エポックを象徴する絢爛かつ荘厳なボール・ルームに目を奪われる。

*Metropole Monte-Carlo
 “A modern hotel with a wonderful pedigree” 「由緒ある系統を誇るモダンなホテル」とホテルの歴史に掲げ、世界中のセレブリティ―から絶大な評価と人気を誇るモナコを代表するホテルだ。1886年に「Monte-Carlo Company Ltd」がローマ法王レオ13世の所有していた土地にホテルを建設したことに始まる。その後の変遷を経て、2004年に全面的なリニューアルを果たし、最新設備を誇る現代的なラグジュアリーホテルとして生まれ変わった。世界的なインテリアデザイナーであるジャック・ガルシア氏が内装を担当し、モダンでありながらこれまでの歴史と格式を尊重したデザインに統一された。伝統的な優美さに現代的テイストが見事に調和した美しいホテルとして世界中の顧客に愛されている。ホテル内にはミシュラン2ツ星レストラン「Joel Robuchon Monte-Carlo」と1ツ星レストラン「Yoshi」が店を構える。

 *「世界のリーディングホテル」は現在「週刊ホテルレストラン」で隔週刊第2・4週号にて連載中。
http://www.hoteresweb.com/columntop

Metropole Monte-Carlo

メトロポール、モンテカルロ

メトロポール、モンテカルロ
メトロポールのホテル案内門標。
ここから優雅なエントランス・アプローチが始まる。

メトロポール、モンテカルロ
世界の一流ホテルの中でも屈指の美しさを誇るエントランス・アプローチ。

メトロポール、モンテカルロ
メトロポールの格調高い正面ファサード。

メトロポール、モンテカルロ
夜間になると、建物はまた違った幻想的な美しさを見せる。

メトロポール、モンテカルロ
ライトアップされて華やかに浮き上がるメトロポールの正面ファサード。

メトロポール、モンテカルロ
何度見ても飽きない照明ライティング技術だ。
左側最上階のコーナールームが今回アサインしてもらった部屋である。

メトロポール、モンテカルロ
正面エントランスを抜けると右手にコンシェルジュデスクがある。

メトロポール、モンテカルロ
洗練された感じのコンシェルジュデスク。
ロビーラウンジ手前にあるホワイエの優雅な空間だ。

メトロポール、モンテカルロ
ロビーラウンジ側からみたエントランスと接するホワイエ。
余裕のある空間で、歴代モナコ大公の肖像画が飾られている。

メトロポール、モンテカルロ
そこから奥に入った所にある、目の覚めるようなロビーラウンジ正面。

メトロポール、モンテカルロ
一種独特のけだるい甘美な空気が漂う空間のラウンジだ。
世界的インテリアデザイナーのジャック・ガルシア氏の傑作である。

メトロポール、モンテカルロ
壁に掛けられた年代物のゴブラン織りタペストリーが圧倒的存在感を放つ。

メトロポール、モンテカルロ
ロビーラウンジ中央から奥にあるレセプションデスク方向の俯瞰。

メトロポール、モンテカルロ
レセプションデスク前のラウンジ。
各界の著名人のレリーフが壁に飾られているユニークな空間だ。

メトロポール、モンテカルロ
ロビーの一番奥まった所にあるレセプションデスク。
シンプルな機能重視の造りので、廊下は客室に向かうエレベーターホールに続く。

メトロポール、モンテカルロ
リビング手前の客室玄関ホワイエ。

メトロポール、モンテカルロ
リビングルームにあるソファーセット。
付属するテラスから紺碧の地中海が見える。

メトロポール、モンテカルロ
GMから贈られたウェルカムアメニティー。

メトロポール、モンテカルロ
テラスに囲まれ眺望が素晴らしいリビングルーム。
この部屋は「Deluxe One Bed Suite」の名称でトップフロアにあるコーナースイートだ。

メトロポール、モンテカルロ
大きな窓を開けてテラスから冬の貴重な日差しを受けるリビングルーム。
65㎡以上ある十分な広さを誇る。左手ドアからベッドルームに続く。

メトロポール、モンテカルロ
リビングから見たベッドルーム。
テラスから望む紺碧の地中海が美しい。

メトロポール、モンテカルロ
ベッドルーム横からバスルームへと続く。

メトロポール、モンテカルロ
逆にバスルームから見たベッドルーム。

メトロポール、モンテカルロ
ゴージャスなダブルシンクのパウダーコーナーとシャワーブース。

メトロポール、モンテカルロ
充分な広さのバスタブと付属した便利な腰掛。
ビデ付きのトイレも同じアールデコ調の美しい大理石の床と壁紙だ。

メトロポール、モンテカルロ
部屋のテラスから望む美しい紺碧の地中海。

メトロポール、モンテカルロ
同じくテラスからの眺望。
左手にグラン・カジノ、右手にオテル・ド・パリが俯瞰できる。

メトロポール、モンテカルロ
夜間のライトアップされた同方向の眺望。

メトロポール、モンテカルロ
モンテカルロ中心部方向の眺望。左奥がオテル・ド・パリ。
カフェ・ド・パリより続く公園からエントランス・アプローチが始まる。

メトロポール、モンテカルロ
コーナースイートの部屋からは真下に優雅なスイミングプールが望める。
エントランス・アプローチの右手には、ショッピングセンターに下るエスカレーターも見える。

メトロポール、モンテカルロ
スイミングプールの室内側部分。
ラウンジとバーカウンターが用意されている。

メトロポール、モンテカルロ
「Metropole ESPA Monte-Carlo」の正面玄関。
スパはエントランス・アプローチから一度外へ出た独立した場所にある。

メトロポール、モンテカルロ
レセプションデスクより豪華な空気に包まれる。

メトロポール、モンテカルロ
スパ内部のトリートメント個室前のラウンジ。

メトロポール、モンテカルロ
エントランス・アプローチを挟んでスパ正面玄関のちょうど対面に、
ミシュラン1ツ星を獲得した和食ダイニング「Yoshi」は正面玄関を構える。

メトロポール、モンテカルロ
「Yoshi」店内レセプションに詰める、気さくな受付案内スタッフ。

メトロポール、モンテカルロ
モナコでミシュラン1つ星を獲得した日本料理店である。
店内は斬新なインテリアを施し、正面奥には見事な日本庭園を配している。

メトロポール、モンテカルロ
店内を案内して頂いたフランス人スタッフ。

メトロポール、モンテカルロ
記念に1枚。

メトロポール、モンテカルロ
日本・フランス混合の料理スタッフチーム。

メトロポール、モンテカルロ
ロビーラウンジのコーナー奥にある落ち着いたライブラリー。

メトロポール、モンテカルロ
ライブラリーの前にあるバーカウンター。
ロブションのメインダイニングが奥に見える。

メトロポール、モンテカルロ
ミシュラン2ツ星レストラン「Joel Robuchon Monte-Carlo」のエレガントな店内。

メトロポール、モンテカルロ
店内はいくつかのセクションに分かれており、「L’ATELIER de Joel Robuchon」
でお馴染みのオープンキッチンのカウンター席も用意されている。

メトロポール、モンテカルロ
訪問時、季節は冬。残念ながらテラス席はクローズされていた。

メトロポール、モンテカルロ
朝食時は豪華なビュフェスタイルだ。

メトロポール、モンテカルロ
エントランス・アプローチ横にショッピングセンターに通じるエスカレーターが設置されている。

メトロポール、モンテカルロ
巨大なシャンデリアが何本も煌めく豪華なショッピングセンター。

メトロポール、モンテカルロ
地下3階まで高級ブランドショップが店を構える。

Hotel de Paris

オテル・ド・パリ

オテル・ド・パリ
オテル・ド・パリ「Hotel de Paris」の正面ファサード。
モンテカルロSBMグループのフラッグシップ・ホテルだ。

オテル・ド・パリ
グラン・カジノ広場に位置し、モンテカルロの象徴として歴史を刻んで来た。

オテル・ド・パリ
1864年、シャルル3世大公の治世下に開業した。
右隣にル・ルイ・キャーンズ「Le Louis XV」が店を構える。

オテル・ド・パリ
中2階回廊から俯瞰した歴史と伝統を感じさせるグランドロビー。

オテル・ド・パリ
太陽王ルイ14世の騎馬像がゲストを迎え入れるグランドロビー。
カジノに向かう前に馬の右足に触れば金運の神が運をもたらすという伝説があり、
ご覧のとおり塗装が剥げて地肌が出ている。

オテル・ド・パリ
グランドロビー左奥にクラシカルなコンシェルジュデスクがある。

オテル・ド・パリ
コンシェルジュの左奥側にある、マホガニーと鏡で囲まれたレセプションデスク。
デスクは2台あり、ゆったりとした空間でゲストを迎える。

オテル・ド・パリ
紺碧海岸を意識したロイヤルブルーの美しいカーペットが続く客室廊下。

オテル・ド・パリ
玄関ホワイエからベッドルームに続く長い客室内廊下。

オテル・ド・パリ
広いテラスが付属する客室「Exclusive Sea View Room」。

オテル・ド・パリ
約50㎡の広さを誇る快適な部屋だ。

オテル・ド・パリ
グラン・カジノ広場の反対側にあり、
テラスから望む美しいコートダジュールの景色が自慢である。

オテル・ド・パリ
ゴールド縁のミラーと黒白モザイクの床面が優雅なコントラストを描くバスルーム。

オテル・ド・パリ
白亜のカラーラ産大理石が美しい。

オテル・ド・パリ
テラスから望む姉妹ホテルのエルミタージュ旧館。
背後にはヨットハーバーと丘の上に王宮が見える。

オテル・ド・パリ
グラン・カジノ広場から海側にかけては新館の建物になり、
遊歩道沿いにぐるりとブランドショップが店を構える。

オテル・ド・パリ
新しく造られたレストランサイドにあるエントランス。

オテル・ド・パリ
地中海料理のレストラン「Cote Jardin」のエントランス。

オテル・ド・パリ
サマーシーズンには地中海の見えるテラス席が大人気だ。

オテル・ド・パリ
新館部分最上階にあるレストラン「Le Grill」。
紺碧に映える地中海の大海原が一望できる。

オテル・ド・パリ
天井に描かれた星座が美しい。
驚くことにサマーシーズンには天井がフルオープンになる。

オテル・ド・パリ
グランドロビーから続くショッピングアーケード。

オテル・ド・パリ
ホテルを代表する壮麗なボールルーム「Salle Empire」。

オテル・ド・パリ
エルミタージュの「Salle Belle Epoque」と対比される美しいサロンである。

オテル・ド・パリ
長い地下の連絡通路を辿っていくと巨大なスパ施設に出会う。

オテル・ド・パリ
SBMグループが誇るレ・テルム・マラン「Le Thermes Marins de Monte-Carlo」
のスイミングプール。

オテル・ド・パリ
実はSBMグループの姉妹ホテル、エルミタージュのゲストと共用で利用できる。

オテル・ド・パリ
テルム・マラン施設内にある地中海の見えるレストラン「L’Hirondelle」。

オテル・ド・パリ
テルム・マランへは2つのホテルから連絡通路で結ばれていて、
こちらはエルミタージュ側と結んでいるエレベーター。

Hermitage Monte-Carlo

エルミタージュ、モンテカルロ

エルミタージュ、モンテカルロ
オテル・ド・パリ客室テラスから俯瞰したエルミタージュ。

エルミタージュ、モンテカルロ
同じくテラスから見たエルミタージュ旧館。
オテル・ド・パリの真後ろから見下ろす位置関係だ。

エルミタージュ、モンテカルロ
あらためて至近距離から見た優雅なエルミタージュ旧館正面ファサード。

エルミタージュ、モンテカルロ
旧館に隣接して本館の瀟洒な建物が建っている。

エルミタージュ、モンテカルロ
優雅なベルエポック様式のキャノピーが美しい正面エントランス。

エルミタージュ、モンテカルロ
黄昏時のライトアップされた目の覚めるような秀麗な姿のエルミタージュ正面ファサード。
まさに「隠れ家」の雰囲気が伝わってくる。

エルミタージュ、モンテカルロ
ベルスタッフが詰めるロビーエントランス。
大理石床面のモザイク部分にエルミタージュの繊細なロゴマークが見える。

エルミタージュ、モンテカルロ
レセプションデスクとコンシェルジュのエレガントなカウンター。
中2階回廊部分も見える吹き抜けの美しいデザイン構成だ。

エルミタージュ、モンテカルロ
中2階回廊から俯瞰したなロビーラウンジ。
オテル・ド・パリの男性的力強さに対して、フェミニンの優雅な雰囲気が漂う。

エルミタージュ、モンテカルロ
その回廊部分はトップライトから光が注ぐエレガントな空間だ。

エルミタージュ、モンテカルロ
ロビーラウンジ正面奥にエルミタージュを代表する豪華なサロン、
ベルエポック・サロン「Salle Belle Epoque」がある。

エルミタージュ、モンテカルロ
館内廊下も非常に手の込んだ装飾が配され、まさにベルエポックの華という感じだ。

エルミタージュ、モンテカルロ
館内テラスから俯瞰した紺碧の地中海。

エルミタージュ、モンテカルロ
エッフェル塔の建築家で知られる
ギュスターヴ・エッフェル作のラウンジ “冬の庭園” 「Jardin d’Hiver」。
円天井に施されたステンドグラスの装飾は圧巻で、国の重要文化財に指定されている。

エルミタージュ、モンテカルロ
冬の庭園を出るとオテル・ド・パリとは反対側に、もう一つの新エントランスがある。

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