
Edition 28/ London, UKⅢ
London, UKⅢ
ロンドン、英国Ⅲ – はじめに
第28回特集はロンドン、英国Ⅲとして、前回に引き続きロンドンのホテルをフォーカスして、特集の締め括りとしてロンドンの街の様子などもご案内します。今回は「セント・パンクラス・ルネッサンス」、「ザ・リージェンシー・ホテル」の2ホテルと、パリ-ロンドン間の移動に利用した国際列車「EUROSTAR」、そしてオリンピックを間近に控えた(筆者は今年5月中旬に訪問)ロンドンの最新情報をお伝えします。
*St. Pancras Renaissance Hotel
今から150年前、英国の産業革命絶頂期にイギリス中東部方面への鉄道を延ばす「ミッドランド・レイルウェイ」社が建てたのがセント・パンクラス駅である。ヴィクトリアン・ゴシック様式の壮麗な駅舎で、教会や大聖堂を中心に手掛けた英国建築界の大御所、ジョージ・ギルバート・スコット卿により建てられた。駅構内に建てられた「ミッドランド・グランド・ホテル」は当時イギリス最新鋭のホテルであった。しかし、鉄道の黄金時代はあっけなく終焉を迎え、1935年にホテルは閉館となりゴースト化して行くことになる。
やがて時代は移り、ドーバー海峡をトンネルで結ぶ国際列車ユーロスターのロンドン側発着駅として再び脚光を浴び、見事に復活を果たす事になる。ホテルはマリオットグループにより買収され、徹底的に修復された後「セント・パンクラス・ルネッサンス」として華麗なる大変身を遂げ、去年2011年5月5日にグランドオープンした。
*The Regency Hotel
ロンドンの高級住宅地として知られるサウス・ケンジントンにある白亜の瀟洒な建物である。地下鉄のサウス・ケンジントン駅から数分歩いて行くと、ヴィクトリア様式のファサードが美しいザ・リージェンシー・ホテルが見えて来る。19世紀に建てられたタウンハウスのレジデンスが起源であり、後にホテルとして徐々に拡張を続け、2003年の大改修で現在のホテルとしての基礎が出来上がった。閑静な住宅街にある立地で、自然史博物館やヴィクトリア&アルバート博物館にも程近く、気軽に利用できるお勧めのホテルである。
*EUROSTAR, Paris-London
1994年に完成した英仏間のユーロトンネル開通に合わせて同年11月に開業した。フランスのTGVをベースにした車両を使用する国際列車で、当初イギリス側の発着駅はウォータールー駅であったが、2007年よりセント・パンクラス駅に変更されている。
最高時速は300Km/hで、パリ北駅からロンドンまで僅か2時間25分の所要時間だ。列車は航空機の利用とほぼ同じで、パリ北駅で出国審査がありイミグレーションを抜けると免税品店が並ぶ。ファーストクラス(=ビジネスクラス)では軽食・飲み物のサービスがあり、座席配置は1+2席の余裕ある空間で快適な旅を楽しめる。
*London, Town goings on
今回、筆者がロンドンを訪問したのはオリンピックを目前に控えた今年5月中旬であった。訪問時はエリザベス女王のダイアモンド・ジュビリー(即位60周年記念)も迎える準備で、街はユニオンジャックの旗が溢れ大いに賑わいを見せていた。その時のスナップ写真を中心に、ミュンヘン在住時の1970年代から前回訪問した2005年の写真も交えてご紹介したい。
*「世界のリーディングホテル」は現在「週刊ホテルレストラン」で隔週刊第2・4週号にて連載中。
http://www.hoteresweb.com/columntop
- 2012-11-12 (Mon)
- Edition 28/ London, UKⅢ
St. Pancras Renaissance Hotel
セント・パンクラス・ルネッサンス・ホテル
ヴィクトリアン・ゴシック様式の壮麗な建築美のセント・パンクラス駅。教会や大聖堂を中心に手掛けた英国建築界の大御所ジョージ・ギルバート・スコット卿により建てられた。
駅構内に建てられた「The Midland Grand Hotel」がルーツで、セント・パンクラス駅がユーロスターのロンドン側の発着駅となってから、再び脚光を浴び見事に復活を果たす事になる。
ホテルはマリオットグループにより買収され、徹底的に修復された後に「St. Pancras Renaissance Hotel」として華麗なる大変身を遂げ、2011年5月にグランドオープンした。
セント・パンクラス・ルネッサンスの正面エントランス。
正面玄関から望む美しい弧を描いたホテル建物。
正面玄関を抜けてグランドロビーに向かう。
天井の鉄骨など当時の面影が色濃く残るグランドロビー。
当時、ここは駅に通じる “タクシー乗降場” であったと言えばビックリするであろう。
グランドロビーはアフタヌーンティーも楽しめるラウンジになっており、
左手にレセプションカウンターが見える。正面は “BOOKING OFFICE”
と読めるとおり、切符売り場に通じる通路であった。
どことなくアラベスクの雰囲気が漂う回廊部分。
回廊を進んで行くと、
ホテルの最大の見せ場である中央階段「Grand Staircase」が忽然と姿を現す。
中央階段を右サイド側から俯瞰する。目の覚めるような荘厳な雰囲気だ。
右サイド側から中央階段上層部を望む。
心血を注いで建築を手掛けたスコット卿の真骨頂がここに見られる。
エレガントな家具と客室デザインの「Barlow House Club Room」。
約32㎡の広さがあり、クラブラウンジ「The Chambers Club」へのアクセスがある。
「The Gilbert Scott Bar & Restaurant」のレセプションデスク。
「The Gilbert Scott Bar」のクラシカルな店内。
「The Gilbert Scott Restaurant」の店内。ギルバート・スコットが設計したオリジナルの
「ミッドランド・グランド・ホテル」のダイニングルームを踏襲している。
「The Booking Office Bar」の店内。
昔の “切符売り場” をダイニング・バーへと見事に変身させた。
「The Booking Office Bar」の駅構内側のエントランス。
実に、駅プラットフォームから直接にブッキングオフィス・バーに出入り出来る。
エントランスには黒服のスタッフが立ち、玄関マットには “BOOKING OFFICE”
の文字も確認できる。後述する「ユーロスター編」で駅構内を詳しくご案内したい。
- 2012-11-12 (Mon)
- St. Pancras Renaissance Hotel
The Regency Hotel
ザ・リージェンシー・ホテル
地下鉄サウス・ケンジントン駅の可愛らしい駅舎。
ここからリージェンシー・ホテルに向かう。
名前も見事な “クイーンズ・ゲート” 「Queen’s Gate」大通りに建つ白亜の建物。
2005年訪問時のホテル外観。
リージェンシー・ホテルの正面ファサード。
タウンハウス時代の面影が残る正面玄関。
エントランスホール正面にあるレセプションデスク。
エントランスホールから見た正面玄関。
ロビー脇のラウンジコーナー。この日は展示会があり、その案内受付デスク。
エレベーターホール。
可愛いロングケース・クロックとソファが置いてある。
館内廊下とハウスキーピングのスタッフ。
クイーンズ・ゲートに面した客室「Queensgate Room」。
写真は2005年当時の客室で、その後大規模リノベーションが為されている。
かなり部屋は狭いのだが・・・・・
窓を開けるとテラス越しにクイーンズ・ゲートの美しい風景が広がる。
パヴィリオン・レストランに向かう館内廊下。
「Pavilion Restaurant & Bar」のエントランス。
パヴィリオン・レストランの朝食風景。
左手の階段を数段上がるとパヴィリオン・テラスに向かう。
トップライトからの陽光が美しい「Pavilion Terrace」。
レストランから階段を上がった所にあり、アフタヌーンティーも楽しめる。
クラブラウンジに当たる「Elysium Lounge」のエントランス。
“パラダイス” という意味のエリシウムラウンジの内部。
併設されているスポーツ・ジム。
- 2012-11-12 (Mon)
- The Regency Hotel
EUROSTAR, Paris-London
ユーロスター、パリ - ロンドン間
パリ北駅の正面ファサード。
「GARE DU NORD」の文字がはっきり確認できる。
文字通り、SNCFのフランス北部方面への発着駅である。
6体の均整のとれた女神像が歴史と格調高い雰囲気を出している。
パリ北駅の開業は1846年まで遡る。
駅前広場からの俯瞰。
現在の正面ファサードは1865年に完成し、全部で23体の女神像が並ぶ。
朝の出勤時、パリ北駅の風景。
ホームが何本も並ぶパリ北駅構内。
いちばん左側のホームが国際列車の発着番線である。
左手いちばん奥が「ユーロスター」で、その手前赤色の列車は「タリス」である。
ちなみにタリスは、ブリュッセル、アムステルダム、ケルン方面を結んでいる。
これから出国審査のため並ぶことになる。
イギリスは欧州内のシェンゲン条約に加盟していない為、出入国審査が必要となる。
出国審査場のパスポート・コントロールのカウンター前。
イミグレーションを抜けると、エアポートと同じように免税店が並んでいる。
ビジネス・プレミア乗客用のラウンジ。
ユーロスター専用の待合室。
専用ホームに向かう連絡橋の入口。「Porte A」と「Porte B」がある。
乗客は連絡橋からエスカレーターでホームに向かう。
「PARIS GARE DU NORD」の駅名表示板。
スマートな服装のキャビン・アテンダントの女性。
ホームから駅舎方向への俯瞰。
ファーストクラスの車内。
10:13発ロンドン行 EUROSTAR-#9019でパリ北駅を出発する。
ファーストクラスの座席配置は、1+2席の余裕の空間である。
優雅でデザイン性豊かな車内空間。日本の新幹線も見習って欲しい部分だ。
軽食・飲み物を提供するバー・カーの車内。
こんな感じでドリンクや景色を楽しめる。
ファーストクラスの車内では軽食のサービスが始まった。
スポーティーな服装のミール担当のスタッフ。
提供された軽食の内容。
簡単ではあるが、コーヒーのお替りも出来て満足のいくものだ。
あっという間にユーロ・トンネル(ドーバー海峡トンネル)を抜けてイギリス側の唯一の途中駅
「ASHFORD」に到着する。
ホームから俯瞰する列車編成。
11:39着で列車は「St. Pancras International」駅に滑り込む。
英仏間は1時間の時差があるので、2時間25分の列車の旅である。
ロンドン・オリンピックを間近に控え、大きな五輪のマークが乗客を出迎える。
ユーロスターの先頭車両。
大きな五輪マークがロンドンの熱気を伝える。
到着ホームから地下に降りて入国審査を受ける。
セント・パンクラス駅構内にある「抱き合う二人の恋人たち」のブロンズ像。
正式の題名は「The Meeting Place」という味気ないものだ。
ポール・デイという彫刻家の作品で、9メートルもある巨大なものである。
- 2012-11-12 (Mon)
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