
2011-04 Archive
China, Central Region
中国・華中
烏鎮、杭州、蘇州、南京の旅 – はじめに
第9回特集は「中国・華中」と題して烏鎮、杭州、蘇州、南京の最新のホテル事情と、
悠久の古都、しかし意外と情報の少ない南京と蘇州の街の表情をご案内したいと思います。
今回は特に南京大虐殺記念館を訪問して、その詳細をこの誌上でお伝えいたします。
Small Luxury Hotels of the World(SLHW)の話題性が、最近日本では星野リゾートの
加盟で高まって来ています。水郷烏鎮にある烏鎮会所も去年加盟したばかりで、
今回そのクラブ筆頭である錦堂会所、Splendid Clubhouse を訪問しました。
烏鎮西棚地区は街全体を改修した歴史保存地区で、テーマパーク的要素もありますが、
昔懐かしい雰囲気を随所に演出した街造りに徹しました。ですから錦堂会所も古色蒼然とした
外観を保ちながら、内部は最新の設備機器を備えた非常にユニークなホテルとなっています。
バンヤンツリー杭州も個性豊かなオーラを発しており、杭州西渓国家湿地公園に面して
2009年12月に開業しました。客室数72室のリゾートは伝統的な江南建築を基礎とした
ヴィラを中心にレイアウトされ、華やかだった南宋の都を彷彿とさせる景観美が印象的です。
ここ杭州の西湖西岸地域は現在最高級ホテルの開業ラッシュで、既にアマンファユンが
霊隠寺近くに開業しており、フォーシーズンズも去年末に一年遅れで開業しました。
したがって、先行営業している杭州フーチュンリゾートは、立地も悪く苦戦が予想されます。
悠久の都、蘇州には主要ホテルとしてはシェラトン蘇州(現パンパシフィック蘇州)しかありま
せんでしたが、2006年にシャングリラ蘇州、2008年にケンピンスキー蘇州が開業しました。
特にケンピンスキーは450室を超える大型ホテルで、蘇州の勢力図を塗り替える勢いです。
また隣の無錫にも400室の巨大タワーホテルをオープンさせ、中国進出を加速させています。
シャングリラ蘇州は西部のハイテク産業区域にある、市最高層ビルの上層階にあります。
シャングリラ流の堅実なマネジメントで顧客を増やしており、私の宿泊時もほぼ満室で、
各レストラン、クラブラウンジも盛況な感じを受けました。顧客カードのゴールデン・サークル
会員に対する配慮も充分機能していたと思います。
中国四大古都の一つ南京には地元資本の老舗、金陵飯店を始めソフィテル、クラウンプラザ、
シェラトン等のホテルがありますが、今一つその存在感が薄いものでした。
こうした現況下でインターコンチネンタル南京が、80階近い450メートルの超高層ビルの
上層階に去年オープンした訳です。客室も実にユニークで、ラウンドタイプのバスタブを
ベッドルームの中心に据えた、今までに見た事がない近未来的レイアウトになっています。
決して奇をてらう意匠ではなく、施設全般を含め上質な造りと感じられました。
一方シェラトン南京は大規模なリノベーションを施してはいますが、根本的古さは
隠しようがなく、同じスターウッド系で近く開業予定のウェスティン南京と、棲み分けの
連携が必要と思われます。
南京という響きに我々日本人は複雑な感情を抱かざるを得ません。予てより南京訪問
の際は立ち寄るべきと考えていた、南京虐殺記念館の見聞を実現する事が出来ました。
個人としては近づき難い場所でしたが、貴重な記録を撮って参りましたのでご覧ください。
蘇州では張継の漢詩「楓橋夜泊」で有名な寒山寺の現況、また中国版新幹線CRH
和諧号の搭乗記と、杭州-蘇州-南京間の各駅頭の風景を併せてご案内します。
注、私の南京訪問は2010年8月下旬で、各写真と当該コメント、また私の南京全般
に亘る印象はその時点のものです。そして、帰国して1週間を経過した後に例の
尖閣諸島中国漁船衝突事件が起きた訳です。
- 2011-04-03 (Sun)
- Edition 9/ Central Region, ChinaⅢ
Splendid Clubhouse,Wuzhen
錦堂会所、烏鎮
烏鎮、錦堂会所の正面エントランスです。
玄関上に掲げた錦堂の銘板が歴史を感じさせますが、如何にも古い建物の様相ですね。
しかし、これはある意味トリックであり、これから紹介する烏鎮の持ち味なのです。
「Small Luxury Hotels of the World」 の正式表示プレートです。
この古い建物がSLHWのメンバーホテルなのでしょうか!
では、そろそろ種明かしをしましょうか。
錦堂会所、Splendid Clubhouse のレセプション・カウンターです。
建物内部に入ると一転して、古色蒼然からモダンな現代空間に変わります。
明るいレセプション前のロビーです。
どうです、玄関前の鄙びた風情が内部に一歩踏み入れると、
大理石とガラスを多用した現代空間になります。
ロビーから客室棟に連絡する一枚ガラスを張った回廊です。
ここまで来るともう近未来的空間ですね。
平均的客室のベッドルームの様子です。
これで、このホテルがSLHWのメンバーだという事が納得して頂けましたね。
客室玄関ホワイエから窓側への俯瞰です。
このお部屋は面白いレイアウトになっています。
ほぼ正方形の部屋を斜めに半分として、ベッドルームとバスルームを分け合っています。
こちらがもう半分の水周りの部分です。
手前にアメニティーの棚、パウダー・コーナーの横にトイレ、その奥にバスタブと
シャワーブースを備えてあります。タオルは近堂会所のロゴマークがありました。
ここが歴史を感じさせる錦堂会所所以の応接間、レセプション・ラウンジです。
会所という言葉は現在も中国では使われており、日本語で倶楽部というのがピッタリでしょう。
錦堂会所のメインダイニングです。
明るいモダンな内部ですが、外壁は崩れかけた煉瓦で古さを表現されています。
ビュフェ・スタイルの朝食で、この様に多くのホットプレートが並び、
左側奥ではコックさんが対面で、ゲストの要望に沿った麵を調理しています。
錦堂会所玄関前、烏鎮のメインストリートの風景です。
烏鎮西棚の道路は全て歩行者専用で、ホテルゲストは西棚ゲート裏側から
電気自動車で移動して、専用駐車場からポーターがラゲージを運んでくれます。
ホテル敷地内の複雑に入り組んだ回廊です。
風情がある石橋で、散策するのが大いに楽しみです。
石橋から見た水郷烏鎮に見事に溶け込んだホテルの様子です。
古い建物を改修したのが基本ですが、新築した部分もわざと年代物に見せて建てられています。
例えば右手の建物外壁は、わざと煉瓦が剥がれた様に古さを強調した造りに仕上げています。
メインストリート沿いに主運河があり、ここは錦堂会所の専用船着き場です。
対岸の長屋風の建物は民宿で、客室は現代風のベッドルームになっています。
烏鎮には3カ所のクラブハウスがあり、総称して烏鎮会所という名称になっています。
ここは盛庭会所、Shine Town Clubhouse の正面エントランスです。
レセプション・カウンターです。
錦堂会所と同じく建物内部は現代風にアレンジされています。
3カ所目の恒益堂養生会所、Heal Town Clubhouse の正面エントランスです。
今にも崩れそうな鄙びた風情ですが、やはり建物内部は立派な造りです。
ここはその昔、醫院・薬剤所から発展した会所で、
今でも往年の漢方薬局の面影がある一角を大切に保存しています。
烏鎮郵便局の正面玄関です。
左側漢字の部分、「・・・電話局烏鎮西棚分局」などは、全く日本語そのものですね。
- 2011-04-03 (Sun)
- Splendid Clubhouse
Banyan Tree Hangzhou
バンヤンツリー杭州
グランドロビーから眺めたバンヤンツリー杭州の庭園全景です。
南宋時代の伝統的な建築様式を意識したヴィラ・タイプの客室棟が、
西湖を模したシンボルの池を中心に配置されています。
伝統的な江南建築を模したヴィラの門構えのエントランス。
特徴は、白壁と薄い瓦を重ね合わせた濃灰色の屋根です。
個性的な門をくぐると、玄関口の前面に小奇麗なお庭のアプローチがあります。
門の鍵は巨大な南京錠で、玄関口は通常のシリンダー錠でした。
バンヤンツリー杭州は全館スイートタイプの客室で構成されています。
本館のスタンダードタイプを予約したのですが、スイート・ヴィラをアサインして頂きました。
ベッド上に大きく飾られているのは杭州シルクの四季の絵画です。
正式には「ウォータービュー・ヴィラ」という名称のお部屋で、100平方以上有りそうです。
キングベッドから見たシッティング・エリアとライティング・デスクです。
レースのカーテンを開けると、かなり広めのテラスがあり、
テラスから池を挟んでホテル本館部分が望めます。
かなりゆったりした造りのパウダー・コーナーです。
水栓カランと洗面ボールのデザインも、このヴィラのレイアウトに合っています。
最近のバンヤンツリーは例の独特模様の、アメニティー・バッグを標準装備しています。
パウダー・コーナーの右側には独立したバスタブがあり、景色を眺めながら入浴出来ます。
左手に最新のバス用水栓カランとシャワーヘッドを備えています。
左側にはトイレブースとシャワーブースがあり、
共にゆったりとした設計で、玄関脇の内庭を眺められます。
シッティング・コーナーのバーカウンター上にはカップ、グラス類に混ざって、
この様な味わい深い木枠に納まったお茶のセットが用意されています。
龍井茶、烏龍茶、プーアル茶の三種類をゆったりと試飲することが出来ます。
ヴィラが点在する庭園の中にチャイニーズ・レストランの「白雲」があります。
手前がウェイティング・バーならぬ、試飲も出来るティーラウンジ・バーです。
杭州は中国緑茶の代表格である龍井茶の産地で、日本緑茶のルーツと言われています。
龍井村の一部で栽培される茶葉は、「西湖龍井」と呼ばれ特に珍重される逸品もあります。
こちらは本館にあるオールデイ・ダイニングの「ウォーターライト・コート」です。
写真はビュフェ・スタイルの朝食時のもので、充分なメニューの品揃えでした。
バンヤンツリー・スパの優雅なレセプション・カウンターです。
スパ・トリートメントの各個室に通じる回廊です。
この回廊の手前反対側を進むとプールがあります。
ゴージャスな雰囲気のスイミング・プールです。
手前が大型のジャグジーで、奥がプールになっており、左右にデッキ・チェアが並びます。
- 2011-04-03 (Sun)
- Banyan Tree Hangzhou
Kempinski,Suzhou
ケンピンスキー蘇州
ケンピンスキー蘇州の正面ファサードです。
市中心部から東側の金鶏湖畔に2008年に開業した、450室を超える巨大なホテルです。
2階回廊から俯瞰したロビーラウンジです。
写真左手奥にレセプションがあります。
レセプション横にあるエレベーター・ホールです。
非常に重厚なデザインです。
お部屋階の廊下です。
すべてがゆったりした造りで、廊下も見ての通りこの広さです。
眼下に金鶏湖を望むデラックス・レイクビュールームです。
エグゼクティブ・フロアにある約45-50平方のお部屋です。
キングベッドからTV、ライティング・デスク方向です。
一応バトラー・サービスがあり、美味しいコーヒーを頂きました。
デスクから玄関入口方向です。
右側にバスルーム、左手に大型のワードローブがあります。
ゴージャスで余裕の広さを誇るバスルームです。
正面右手にシャワーブース、左手にトイレブースのレイアウト。
バスタブも余裕の広さと深さを確保しています。
ツインシンクの中央にアメニティー・ボックスがあり、
非常にお洒落でクールなデザインです。
エグゼクティブ・ラウンジのレセプションの女性です。
エグゼクティブレベル・コンシェルジュ・チームと呼ばれています。
ラウンジの様子ですが、午後3時のアフタヌーン・ティーの時間になっても
セッティングはされていませんでした。
オールデイ・ダイニングの「シーズンズ・カフェ」です。
レストラン内部は広大な面積を誇る広さでした。
フィットネス・センターのレセプション・カウンターです。
プールに向かう回廊ですが、見てくださいこの余裕の広さを。
何回も、またどの施設も、余裕の広さと述べて来ましたが、とにかく広いのです。
やはり余裕の大きさのスイミング・プールです。
広大な庭園に面した、明るい清潔なプールでした。
金鶏湖側から俯瞰したケンピンスキー蘇州の全景です。
ホテル建物と湖の間には、広大な芝生の庭園が広がっています。
- 2011-04-03 (Sun)
- Kempinski,Suzhou
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