
2012-01 Archive
New York Ⅲ
ニューヨークⅢ – はじめに
第18回特集はニューヨークⅢとして、特集最後の「ザ・リッツカールトン ニューヨーク、バッテリーパーク」、「ザ・ニューヨーク パレス」、「W ホテル、ザ・タスカニー/ ザ・コート」、そして「ヒルトン ニューヨーク」の5ホテルをご紹介します。さらにワシントンDCへの移動に利用したアムトラックのリージョナル特急と、それぞれ個性ある3つの総合ターミナル駅をご案内し、併せて最新のNY情報、街の風景、特に1週間後には「9・11」の10周年記念を控えた「グランド・ゼロ」の様子もお伝えします。
*The Ritz-Carlton New York, Battery Park
バッテリーパークの名はNYがまだニューアムステルダムと呼ばれていた頃、オランダの入植者が外敵に備えるために砦を築いた砲台「バッテリー」に由来している。このホテルの特徴は何と言っても“自由の女神”の眺望であり、NYで唯一その女神像を「The Statue of Liberty View Room」から望める5つ星ホテルである。リッツカールトン香港で紹介した望遠鏡と同じものが部屋に用意されていて、女神の横顔を大きくはっきりと望める。
セントラルパークに面したもう一つのリッツカールトンNYの重厚さとは違い、こちらは近くにウォール街があるためビジネスマンの利用も多く、軽快・機能的なアーバンスタイルになっている。しかしホテルの評価は非常に高く、「Institutional Investor」誌の2007年度のランキングで見事トップの地位を獲得し、続く08年度でも5位を維持するなど高評価を得ている。
*The New York Palace
全米で最も著名な金融大財閥のヘンリー・ビラードが1882年に建設した邸宅「The Villard Mansion」を改装してオープンさせたのが始まりである。その後、ホテルと邸宅は「1882 Villard Houses」となり55階建てのタワー棟の建設に取りかかる。1980年に1882 Villard Houses と見事に融合させたタワー棟を含めて「The Helmsley Palace」として再オープンした。1993年には再び所有権を変更して現在のザ・ニューヨーク パレスとして営業している。
813室のゲストルームと86室のスイートを擁す大型ホテルである。以前、NYで伝説的レストランとして名を馳せた「Le Cirque」の店が本館に入っていたが、06年より2つ星レストラン「Gilt」が営業している。
*W Hotel, The Tuscany/ The Court
今でこそ世界展開を加速させているWホテルだが、筆者が11年前の2001年に訪問した当時はまだ数軒のホテル勢力で、1998年に開業したW Hotel, New Yorkに始まる。したがってザ・タスカニーとザ・コートはWホテル創成期の先発組にあたり、その斬新なコンセプトや既存の枠を超えたデザイン性に驚いたものだ。Wホテル誕生のヒントは84年にカリスマ・ホテリエであるイアン・シュレーガー氏が建てたモーガンホテルNYと言われる。
現在はブティックホテルのセントジャイルス「St. Giles」のオペレーターに移行しており、Wのロゴはすべて外されている。元々この2つのホテルはかなりヒップな雰囲気を持っていて、スターウッドの系列からは少々違和感があっただけに、本来のデザイナーズ系のホテルの居場所を見つけたといった感がある。
*Town Goings On
今回は「9・11」の10周年記念を1週間後に控えた時期にNYを訪問した為、記念行事前の緊迫した「グランド・ゼロ」の様子と、一般には誤解して伝えられているウォール街の意外な面と成り立ちを、当該コメントで説明してあるので参照されたい。
*Amtrak & 3 Major Railway Stations
現在、アメリカ版新幹線というべきアセラ「Acela」がボストン-NY-ワシントンDC間を運行している。専用軌道ではなく従前の古い設備の路線を走行するため十分な速度は出せず、またフランスTGV型で既に周知の列車編成である事もあり、今回はいかにもアメリカらしいリージョナル特急をワシントンDCまで利用した。3つの個性ある総合ターミナル駅については、当該コメントで説明してあるので参照されたい。
*「世界のリーディングホテル」は現在「週刊ホテルレストラン」で隔週刊第2・4週号にて連載中。
http://www.hoteresweb.com/columntop
- 2012-01-14 (Sat)
- Edition 18/ New York Ⅲ
The Ritz-Carlton Battery Park
ザ・リッツカールトン、バッテリーパーク
Ritz-Carlton New York, Battery Park前のWest Stから俯瞰した。
上層階は高級レジデンスとなっている。
West Stに面しているリッツカールトンの正面エントランス。
手前はもうバッテリーパークの入口である。
正面エントランス前に置いてある大型の玄関マット。
リッツカールトンの玄関マットとしてはかなり大きい。
同一建物だが、玄関エントランスは左右2手に分かれていて住所も異なる。
左手にホテルエントランスがあり、住所は2 West Streetである。
右手にはThe Residences at The Ritz-Carltonのエントランスがあり、
住所は10 West Streetとなっている。
レセプションデスク前のロビーラウンジ。写真では見えないが、
手前カウンターにはレモン入りのウォーターピッチャーとコップが用意されていた。
レセプションを抜けるとホール状の回廊が続く。
左手にコンシェルジュデスクがある。
手前のレストラン「2 West」から俯瞰した逆方向のエントランス方面。
左手にエレベーターホールがある。
重厚でクラシカルなエレベーターホール。
渋い木目のデザインとライティングが美しい。
玄関ホワイエからリビング、シッティングエリア方向。
同じくシッティングエリア方向の俯瞰。
自由の女神像を眺める望遠鏡が見える。
キングベッドからシッティングエリア方向の俯瞰。
自由の女神を俯瞰する望遠鏡が存在感を主張している。
手前ライティングデスクより俯瞰したキングベッドとシッティングスペース。
この部屋は「The Statue of Liberty View Room」のカテゴリー枠のコーナールームで、
通常の客室より広い変形タイプで約60㎡の広さがある。
部屋にはリッツカールトン香港で紹介した同じ望遠鏡が用意されており、
リバティー島に俊立する女神の横顔をはっきりと望める。
しばらくして届けられたGMからのレター、ウェルカムフルーツと赤ワイン。
広めのホワイエから入った所のバスルーム。
左手にトイレとシャワーブースが並び、右手にバスタブがある。
かなり広く採光があるために明るい感じのバスルーム。
変形のコーナールームなので右手にシティービューの窓がある。
11階にあるクラブラウンジのエントランス。アメリカでよく見られるアクセスキー
で開けるタイプではなく、営業時間中は常時ドアがオープンの状態である。
ちょうど午後のライトスナックと夕方からのカクテルタイムまでの休憩時間中で、
テーブルには何も載っていないが頼めばアルコールもスナックも用意される。
心地よいラウンジの雰囲気だがバッテリーパーク側ではなく、ビルの谷間で景色はよくない。
また、レセプションデスクはなく、コンシェルジュ業務もなかった。
1日4回のフード・プレゼンテーションがあり、
写真は朝食時のフードディスプレイだ。
モダンアメリカン・ビストロを標榜するオールデイダイニングの「2 West」。
レストラン名はホテル住所から来ている。写真は入口近くのウェイティングバーで、
奥にダイニングテーブルがセッティングされている。
最上階にあるスパ「The Ritz-Carlton Spa」のレセプションデスク。
左手を行くとトレーニングジムがある。
自由の女神を望みながらトレーニングできるマシンがずらりと並ぶ。
ジムの先はオープンエアのテラスになっていて、本来は自由の女神が手に取る様に
見えるのだが、残念ながら「9・11」の10周年を控えて警備上、外へ出られなかった。
バッテリーパーク側から俯瞰したリッツカールトン。
バッテリーパークの名はNYがまだニューアムステルダムと呼ばれていた頃、オランダ
からの移住者が外敵に備える為に砦として築いた砲台(バッテリー)に由来している。
バッテリーパークから望む夕日が美しい自由の女神像。
- 2012-01-14 (Sat)
- The Ritz-Carlton New York, Battery Park
The New York Palace
ザ・ニューヨーク パレス
マディソンアベニューから望む風格あるThe New York Palaceの本館正面ファサード。
背後に見えるのが新館タワー棟である。
マジソンAveを挟んでセントパトリック大聖堂と隣接している。
1882年に建設されたNYの大財閥、ヘンリー・ビラードの邸宅「The Villard Mansion」
を改装し、ホテルとしてオープンしたのが始まりである。
コの字をした本館のテラスはレストラン「The Palace Gate」で賑わい、
右手にはレストラン「GILT」が2006年より店を構える。
ここは以前、伝説的レストラン「Le Cirque」が営業していた場所である。
本館中2階から眺めるテラス側エントランス。
眩いシャンデリアが美しい。
テラス側エントランスから俯瞰する中2階回廊と高い天井。
豪華な中2階回廊。
古い邸宅の雰囲気が伝わって来るようだ。
新館タワー側のエントランス。
50-51丁目のワンブロックを占めていて、両側に出入り口を設けている。
こちらは50丁目側の正面エントランスである。
手前がベルデスクで、その奥左手にレセプションがある。
正面から見たレセプションデスク。
ラウンド状の美しいカウンターデザインである。
レセプションをさらに進むとコンシェルジュデスクがある。
大きなシャンデリアが掛かるエレベーターホール。
51丁目側エントランスに向かう回廊。
両側にイスタナ「Istana」のレストランとラウンジが見える。
- 2012-01-14 (Sat)
- The New York Palace
W Hotel, The Tuscany/ The Court
Wホテル、ザ・タスカニー/ ザ・コート
歴史的なマーレーヒル地区パークAveとレキシントンAveに挟まれた39丁目に位置する
かつての「W Tuscany」。ロンドンを思い起こすような古いレンガ造りの建物が並んでいる。
現在はSt, Giles Hotel New York, The Tuscany/ The Courtの名称となっており、
オペレーターは「St. Giles」、セントジャイルスホテルに移行している。
キャノピーはタスカニーの文字が懐かしい昔の姿で残されていた。
11年前の2001年訪問時のW Tuscanyの正面エントランス。
Wの大きなロゴが今となっては懐かしい。
エントランスに隣接するレストラン。
現在は「Audrey Café & Lounge」となっていた。
今はデザイナーズホテルに生まれ変わったレセプションデスクの様子。
ずいぶんとモダンになった感じがする。
W Tuscany時代のベッドルーム。
Wのロゴが中央にマークされた赤のベッドヘッドが新鮮である。
これまたヒップ感覚溢れるライティングデスク。デスク上の赤い置物は昔懐かしい
チューインガムの自動販売機である。遊び心満点のデザインレイアウトだ。
もう少しレキシントンアベニュー側に位置するかつての「W Court」。
以前と同じコーナースタイルのレセプションデスク。
こちらもデザイナーズ系のモダンなスタイルになった。
部屋からの眺め。ミッドタウンの大型高層ビルディングに慣れた目には可愛らしく映る建物だ。このマーレーヒル地区は、小さい趣のあるビルやアパルトマンが立ち並ぶ。
- 2012-01-14 (Sat)
- W Hotel, The Tuscany/ The Court
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